George Winston / Autumnでニューエイジ系をあまり知らないと書いたが、Windham Hillで有名なのはこのMichael Hedgesだ。 (この人をニューエイジ系と言うかは迷うが、多分そのように分類する人は多くないと思う。)
Michael Hedgesと言えば、アコースティック・ギターでの変わった奏法のパイオニア。
具体的にはいわゆるタッピング、ハーモニクスの多用、弦を叩きつけたり、とアコースティック・ギターにダイナミクスを持たせた演奏が特徴的だ。 見た目は派手なのだが、演奏のコントロールはかなり繊細に思える。 ボディを叩くのはあまりない(全部を確認していないが)。 変則チューニングを多用して、曲調も独特でギター・サウンドも合わせてHedgesワールド。
この”Aerial Boundary”はタイトル曲が有名(だと思う)。 弦のヒッティングは派手ではないけど効果的に使われている。 2曲目の”Bensusan”はPierre Bensusanのことだろうな。 個人的に好きなのは”Spare Change”。逆回転風な録音が面白いが、本当にテープを逆回転させているのかも知れない。
“Aerial Boundary”なんかで顕著なのがリズムというかビートを感じさせるところ。 ギター一本でもビートを生み出しているので聞いていても緊張感が続く。
ちょっと変わっているのがニール・ヤングの”After the Gold Rush”。これはフレットレスベースによるテーマ。 このフレットレスはHedgesのアルバムに多数参加しているMichael Manringによる。 ギターは伴奏に徹している。
YouTubeで見る印象とはだいぶ違って全体的にかなり内省的に聴こえる。 1984年の当時はもっと刺激的だったのかも知れないが、今どきの他のアコースティック系のギタリストのバンバン引っぱたく系の演奏を知った後では穏かで優しくさえ思える。ジャケットも良い。