Fender Champ コピーモデルの製作例を紹介します。 林一樹さんの本を参考にします。
回路も簡単で部品数も少ないからFender Champくらいなら作れるよなー、と思っていました。 でもトランスどうしようかと悩んでいたところに良い本がありました。
林さんの本は、ハンダ付けをしたことがない人でも真空管ギターアンプが作れるように書かれています。 さらに、設計までできるように丁寧に書かれていて、今まであまりないタイプの入門書と言えます。 随所にあるコラムも面白いので、読み物としても良い。
配線編とスピーカーキャビネット製作編は次のリンクをどうぞ。
目次
真空管アンプは何で良いのか
一言で言うと音の張りです。まあ、歪んでいるんだと思います。ぼくはそう思っています。 音に張りがあって、軽くコンプ感があります。
楽器として歪みは悪いことではなく、心地よい歪みというものが存在します。 シングルコイルの音は真空管アンプで弾くと、その良さが分かる。 エレキギターってアンプまで含めて楽器だと思った方が良いです。
Fender Champで有名なのはエリック・クラプトンのアルバム デレク&ザ・ドミノスです。これはブラッキー(黒のストラト)とChampでナチュラルに歪んだ音で録音されています。まあ、あそこまで歪ませるにはボリュームをフルにするくらいが必要です。
実際に使ってみると、家で使うには音が大きすぎてボリュームを全然上げられません。でも、ファットな張りのある音は楽しめますよ。
Fender Champ の回路図
5C1, 5E1, 5F1とありますが、ほぼ同じです。林さんの本では5E1, 5F1に近いと見られます。5E1は電源にチョークコイルがありますが、5F1はありません。 一方で5E1には12AX7のカソードにコンデンサが入っていますが、5F1にはありません。
林さんの本での回路はチョークコイルを省略し、一方で12AX7のカソードにはコンデンサを入れてあります。 そういう観点で5E1, 5F1に近いと思いました。
5E1の回路図 5F1の回路図ワン・ボリュームのみの潔い構成です。プリアンプ部・パワーアンプ部にそれぞれ真空管が1つずつ。 整流管も使い、これ以上シンプルに出来ない基本型です。
ちなみに5F1によく似た回路で 5F2 Princetonというのがあります。 これはトーン回路があります。
部品集め
今どきは通販が楽ですが、実際に見ながら買うのも良いです。今はトランスもネットで買えます(以前はFAXで買いました)。 マルツ、秋月で揃います。
トランス
トランスは東栄変成器 に電話して問い合わせました。 FAXを送って代引で購入できました。最近はネットで買物が出来ます。
出力トランスは 2.5-3.5kΩ(5-7kΩ):4-8Ω(8-16Ω) 5W シングル用出力トランス [OPT-5SR]
電源トランスは 真空管用 280V-250V-0-250V-280V 75mA/5V-6.3V 2A/6.3V 3A [P-75N]
電解コンデンサ
耐圧が450Vの電解コンデンサは入手が難しいかも知れません。 関東なら秋葉原、名古屋なら大須あたりで探す方が良いかもです。出張の時に時間を作って店を回ったりとかも楽しいです。 電解コンデンサは少しくらい定数が違っても動きます。まあ、自己責任でお願いしますが。
真空管
真空管はマッチドペアでなくても全然OKです。プッシュプルではないですから。ラジオセンターなどをぶらつくと、格安品があるかもです。
今調べると、林さんの本で書かれている価格よりも1000円ほど高いですね。
続きは…