(2018-09-23 大幅に追記しました。)
パラボックスを作りました。スプリッターとも言いますね。
実際にはアクティブ回路のパラボックス。ハンドメイド・プロジェクトの回路です。
目次
チョーキングの音程が悪いので、チューナーを入れっぱなしにしたい
正直、チョーキングの音程が悪いのが悩みです。なので、チューナーを入れっぱなしにしたいのです。 つまり演奏中でも、音程をモニターして微調整するのです。
ただチューナーを通した音をアンプに通すのには心理的に抵抗があります。というのは、むかしBOSSのTU-12ではノイズが乗ってしまったからです。
そこで、パラボックスです。バッファー回路を並列に並べてパラに出力する回路です。
回路的には下のようなものです。

パラボックスって何?
パラボックスは楽器の出力を並列に分けるものです。単に並列配線するパッシブ・タイプとバッファー回路を使うアクティブ・タイプがあります。 ここではアクティブ・タイプを作りました。
アクティブ・タイプが良いの?
並列配線するだけのパッシブ・タイプでは、並列にする機器によって出力レベルが変動します。つまり干渉してしまう。 並列につなぐインピーダンスが違えば、配分される電流が違う、ということです(かなり乱暴に説明してます)。
アクティブ・タイプはバッファー回路を使い、並列の出力を独立にしてくれます。 つまり、出力に接続する機器(エフェクター・アンプ)同士の干渉を防止できます。
バッファー回路は専門的には、中身はトランジスタのインピーダンス変換(ソースフォロワー)を並列に並べた回路。
実際の回路は下のような回路を並列にしたものです。(回路定数は入れないですよ。)

音は変わるのか
音は…変わらないはずだけど、クリアになった気もしますが…。
人によってはアクティブピックアップ(低出力のパッシブピックアップにインピーダンス変換回路が付いたピックアップ)みたいと言うけど、アクティブピックアップは使ったことないから、良く分からないです。
アクティブ・パラボックスの製作
ハンドメイド・プロジェクト(販売してくれます)のpdfを参考に作りました。
部品代は2000円かからないと思います。
基板のエッチング
まずは基板のエッチングです。ぼくはレジストペンを信用していないので、油性ペン(マッキー)を使っています。
もとの配線パターンは黒い部分が少ないですが、できるだけ塗りつぶすとエッチングする部分が減って楽です。この辺りは経験を積むと分かってきます。
塗りつぶしを多くすると、線が切れることも防げます。ですので、なるべくエッチングする部分を減らしましょう。

季節によっては、湯煎しなくてもエッチングできます。湯煎するとエッチングが進み過ぎる場合があるので、注意が必要です。
エッチング液は定番のサンハヤトのものです。
エッチングが終わったら、油性ペンを剥がします。ぼくの場合はスチール・ウールでゴシゴシ洗います。

ケースの加工
ケースは定番のHAMMOND の1590Bです。

ジャックの穴など、大きい穴を開ける時はリーマーを使います。リーマーは下穴をドリルで開けてから、リーマーを突っ込んでメリメリと穴を広げます。
配線
部品数が少ないので、配線はとても楽です。
配線の線材が少し太かった…。

ケースにアースを接続する
今回はジャックが絶縁タイプなので、そのままではケースにアースが落ちません。写真には写っていませんが、圧着端子でケースの蓋と共締めしています。

完成して使っている写真
