マスコミに限らず、普通の国では見られる普通の愛国的な言動へのアレルギー(最近だとRADWIMPSのHINOMARUへのバッシング RADWIMPS「HINOMARU」に批判、“愛国ソング”は本当に悪なのか?)、自衛のための武力行使へのアレルギー(例えばウクライナへの降伏要請)など日本ではとても歪んだ空気を感じます。そして、自国の歴史認識を隣国に影響されてしまう事態(慰安婦問題など)になっています。
その根源について解説した本で、日本人の常識とするべき内容ばかりです。もっと広まって欲しい。
その根源とは「さきの戦争」(アメリカの言う太平洋戦争)後の占領政策の一環で実施された心理戦・プロパガンダに辿ることができます。 この本ではプロパガンダであるWGIP、そして同時並行的に実施された占領軍の施策について解説しています。 極東国際軍事裁判が終わる時期に占領軍プロパガンダのプログラムは終了していますが、その後遺症が色濃く残っているのが今の日本ということです。
目次
WGIPとは
WGIPはWar Guild Information Programの略です。 その目的は本書から引用すると
WGIIPの目的とは、 「広島長崎への原爆投下を『残虐行為』だとする傾向をなくすこと」 と 「日本人が極東国際軍事法廷の判決を受け入れる心の準備をさせること」であったこと、 そのために「先に提案した情報プログラム案」を採ることだったことです。
とあります。つまり占領政策を上手く実施させるために仕組まれたプログラムだったわけです。
ここで重要なのは、上記のゴールに到達した結果「戦争をした日本が悪かった」「原子爆弾を落とされても仕方ない」と「思い込む」ようになったということです。これが日本人に「自虐バイアス」と「敗戦ギルト」(罪悪感)を醸成しているということなのです。
日本人の多数が「日本が悪かった」と思い込んでいるから、「反日的な態度」を受け入れる素地が作られているわけです。 これら「反日的な刷り込み」は占領下が出発点だったということをよく理解するべきだと思います。
WGIPの手法
WGIPは手法としてメディアを利用しています。すなわち
- 新聞
- ラジオ
- 映画
- 展示物(ポスター)
- 出版物
を駆使して「刷り込み」を実施してきました。
新聞は、アメリカ側からの一方的な内容を押し付けた「太平洋戦争史」を10回にわたって連載しました。 これがいわゆる「太平洋戦争」という呼称の押し付けと刷り込みになりました。 これら新聞の筆頭、最も忠実なアメリカの犬は朝日新聞です。つまりこの時から朝日新聞は反日的な体質を持ち続けているわけです。 当時は占領下だったという背景はあるのは認めますが、占領が終った後も反日的なのは看過できないでしょう。
ラジオはNHKです。NHKは「太平洋戦争史」のラジオ版である「真相はかうだ」「質問箱」などを放送しました。 この一連のプロパガンダ製作の手法に染まって8月15日の頃のスペシャル番組でいまだに占領軍の史観で製作している背景がここにあるわけです。 受信料を徴収しながら、日本を貶めるような番組を作成しているのがNHKということです。
植え付けられたイメージ
すこし長いですが引用しましょう:
「現在および将来の日本の苦難と窮乏に対する軍国主義者の責任、連合国の軍事占領の理由と目的を周知徹底せしめること」という目標合致していること がわかります。つまり、主人公やその周辺の人物は、エリートだったり、良心的な一般人だったりするのですが、戦時中軍国主義的軍人に振り回されたり、その抑圧に苦しんだりしていました。その状況は敗戦によって終わるのですが、彼らはなおも、戦後のさまざまな苦難と戦っていかなければなりませんでした。これらの映画には、軍国主義者と一般国民を互いに対立するものと位置づけ、敗戦による苦難は前者のもたらしたものだが、後者もそれに責任を感じているというパターンが見られます。今日の私たちからすれば、すっかり馴らされてしまったおなじみのパターンですが、わずか半年前には、軍国映画しかなかったのですから、これは180度の転換だったといっていいでしょう。
つまり「戦争は一部の軍国主義者だけが悪い。苦しめられた自分達は被害者で全く悪くない。」ということですね。 これが極東国際軍事裁判で勝手に戦犯とされた方々、靖国神社への間違ったイメージにつながっていることが理解できます。
戦争に至る道程は一部の軍国主義者が暴走だけで説明できるほど単純なものではありません(その一端はヒッグス: アメリカの経済戦争は日本の真珠湾攻撃をいかに誘発したかで説明されています)。 このような恣意的に単純化された対立構造を鵜呑みにするのは、術中に嵌っている以外の何物でもありません。
WGIPと同時に実施された施策
WGIPと同時に実施されたのが5大改革と呼ばれるものがありますが、5大改革よりも重要な施策が「神道指令」というものです。 これは国家神道を廃止し、政教分離したものです。
政教分離は聞こえは良いですが、これは天皇制を形骸化させることを意図したもので、日本の国体(国のありかた)そのものを変えようとしたということです。当時で広義の天皇制は2600年ほど続いてきたものです。
(勉強はしたでのしょうが)日本のことを良く知らない外国人に2600年以上も続いたきたものを変えられたということを重く受け止めるべきでしょう。 占領されるとは、こういうことです。
ちなみに5大改革は
- 婦人の解放
- 労働組合結成の奨励
- 教育の自由化(国体改変)
- 圧政的制度の撤廃
- 経済の民主化
があります。 これらの内容について本書ではあまり説明はありません。 具体的には、選挙法の改正(満20歳以上の男女の参政権)、教育基本法・学校教育法、治安維持法・特別高等警察の廃止、財閥解体、農地改革があります。
教育基本法などで、教育で刷り込みがされたのは当然です。上記の国体の改変(天皇制の形骸化)も教育で行われました。 日教組が国旗掲揚・国歌斉唱などに後ろ向き(例えばこれ)なのは、このような背景があるからですね。
おわりに
もっと書きたいことはありますが、まずはこのくらいにしておきます。
WGIPの後遺症として一番の問題は「被占領マインド」が醸造されたことなのでしょう。 自分で自分を守ることを放棄させるというのが、今の日本では一番の問題です。
ロシア、中国、北朝鮮といった軍事で現状を変更しようする気がマンマンな状況下で、日本の左翼的な思想(中共寄り)が、こうした昔の占領軍の施策によって極端になっているのが皮肉と言わざるを得ません。
占領軍の壮大なマインドコントロールの後遺症にいまだに苦しめられているのが今の日本です。 そして洗脳されていれば、70年以上も前のプロパガンダ・プログラムがぼく達がいかに毒されているのか気付けない部分があります。 このような後遺症から抜け出すことに尽力したのが安倍晋三総理(あえて元総理とは書きません)だったことは忘れていけないでしょう。
占領軍が利用したのはメディアであり、その流れが脈々と続いているということは忘れてはいけないでしょう。 朝日新聞、NHKは占領軍の優秀な手先としての実績があり、その伝統に忠実であるだけなのかも知れません。 メディアの歴史を知った上で、それらが情報を流す意図を検証しながら、メディアの情報を自分で取捨選択する姿勢が必要だと強く思います。