「ジャズが好きなの」告白を本気にしてはダメ──大人な関係を維持するために

(更新日: 2025年8月15日 )

酒の席なんかで「ジャズが好きなんです」なんて話題になることがある。 世の中の人が「ジャズ」に対して持っているイメージというのは、たぶん

  • 通好み
  • オシャレ
  • 渋い
  • 大人の音楽
  • 難しい

といったところではないだろうか。

ちなみに「ジャズがオシャレ」とはどういうことだろうか。 ジャズでは多用されるテンションコードはお洒落かも知れない。 そういう意味ならば、人間関係でテンション高めな私はお洒落の最先端を行くことなるのだろうか。 話が逸れた。

さて、ちょっと待って欲しい。あなたが言う「ジャズ」は何を指しているのでしょうか?

「ジャズ」とひとことで言っても、いろいろなジャズがある。 歴史から言うとラグタイム、デキシーランド、スウィング、ビバップ、クール、ハード・バップ、モード、フリー、コンテンポラリーという具合だ。 ラグタイムとハードバップやモードジャズでは、なるほど「ジャズ」だが相当に違う。 フュージョンとかクロスオーバーも「ジャズ」と言ってしまう人もいるだろう。

私の経験から言うと、ジャズにそこそこ詳しい人は、そうでない人に向かって「ジャズが好き」のような曖昧な言い方はあまりしない。 少なくとも私は音楽の話題でジャズに関することは避けてしまう。なぜなら地雷を踏んだら面倒だから。

話を戻すと、酒の席で「私ジャズが好きですの」という場合は、もちろんフリー・ジャズのことを言っていないと思う。 なんとなく「ジャズ」を捉えていて、コンピレーションCDなんかを聴く程度を言っていることが多いと思う。 あるいは、ざっくり音楽の話題に合わせてくれた、というだけの場合もある。

だから、面倒なことは決っして言わずに「ジャズってお洒落よねー」と笑って話を合わせるのが良い。 間違っても「スティーブ・ガッドはジャズじゃない」などと言ってはダメだ。