さよならの語源

英語・ドイツ語・日本語の「さようなら」の語源の違いを調べてみました。

英語の場合

英語のGood-byeの語源は、語源由来辞典 によれば

英語「good-bye(good-by)」からの外来語。 「good-bye」を古くは「Godbwye」といい、「God be with ye」の短縮形。 「God be with ye」は、「ye」が古い二人称代名詞「you」で、「神が汝と共にありますように」「神のご加護がありますように」という意味である。 「God」を直接口にするのを遠慮する風潮があったことと、「good morning」や「good night」など他の挨拶の言葉に引かれたことで、17世紀から「God」が「good」に変わり、18世紀に入り現在の形になった。 日本では明治中期から用いられるようになった。

ドイツ語の場合

ドイツ語で別れ際によく使われるTschussの語源は、 anney’s room によれば

これは素直に独語の語源辞典に載ってたんだけど、意外でしたー。 スペイン語の「adios」[アディオス](zu Gott=神のもとへ)が語源なんだそうで。

で、もともと低地ドイツ語で atscus だったんだけど、 a が抜けたりして、現在の tschus になったそうな。あらまー。

調べてみると、このアディオス系列は結構あるらしく 私が何かの曲の歌詞で聞いた「あでゅー あでー」とかゆーのも、これらしい。 確かに「二度と会えなくなる人に対して使うんだ」と聞いた事があるけど なるほど、神様のもとに行っちゃったら、そりゃ会えないわなぁ…。

とのことです。大学で掃除のおばさま逹がよく「あでー」と言っていましたが、それも「チュース」と同源だったのですね。「神とともにあらんことを」の意味のようですから、英語と同じ意味の語源と考えてよさそうです。

一方で、Auf Wiedersehen は auf(期する) + Wieder(再び) + sehen (見る(こと))ということで、文字 通りには「再会を期して」という意味ですね(cf. 旅のためのドイツ語)。硬い言い回しとのことですが、お店を出る時は使ったような気がします。こちらは、宗教的な意味はないようですね。綴りを見た時は、中国語の「再見」に近いと思ったものです。

日本語の「さようなら」

日本語のさようならは、漢字で書くならば「左様なら(ば)」ということでしょうから 「きょうのことばメモ」:「さようなら」 の語源と意味にあるように

「さようなら」とは、「そうなら、そうならば」ということです。「それでは」「では」「じゃあ」などと同じで、それまでの話を打ち切り、話を変えるときに使うことばのひとつです。「それでは、これで失礼します」とか、「さようなら(ば)、あした会いましょう」とか言うところを、全部言わずに、初めのところだけで止めているのです。

ということです。日本語のお別れの挨拶の語源には、宗教的な意味合いがまったく無い点が英語のGood-byeやドイツ語Tschusと違うようです。

『サヨナラは悲しい言葉じゃない それぞれの夢へと僕らを繋ぐYEEL』という歌詞を聞いて、「さようなら」の語源を調べたのきっかけです。上の語源を読むと、『さよならは別れの 言葉じゃなくて再び逢うまでの 遠い約束』という歌詞は「また…」を省略した形と解釈すると、なんだか当たり前のように聞こえてしまいました。