リッチーブラックモアがレッド・ツェッペリンのドラマーであるジョン・ボーナムについて語っているインタビューがありました。
この二人にどれくら交流があったのか知りませんが、エピソードとしては本当なんだろうなと思います。 と言うのも、ボンゾ(ジョン・ボーナム)はツアー中はホームシックになって深酒になっていったと知られているから。 この深酒がもとで彼は亡くなってしまいました。
リッチー・ブラックモア: ジョン・ボーナムはいつもツェッペリンに、「俺はバンドを辞めるんだ。もうアメリカには戻れない。もうこんなことはできない」と。 するとピーター・グラント(レッド・ツェッペリンのマネージャー)はよく、”おい、ガレージに来いよ、見せたいものがあるんだ “と言ってきたんだ。 ボンゾが “なんだ?”と言ってガレージに行くと、ボンゾが欲しがっていた新車のランボルギーニがあったんだ。
ジョン・ボーナム: “ワオ、すげぇ”
ピーター・グラント: “アメリカに来たのは君のためだ”
ジョン・ボーナム: “まあ、そうだな”
そうやって、彼はアメリカでツアーを続けていた。 しかし、彼は何度か家に帰りたいという理由で泣いてしまうことがあった。 アメリカにはいたくない、奥さんにも会いたい、ビッグバンドにもいたくない。 バーミンガムの小さなバンドで、ただ演奏していたいと思っていた。名声なんてどうでもいいんだってね。
以下はジョンボーナムの言葉だそうです。上のリッチーの話を裏付ける内容ですね。
ジョン・ボーナム
“ツアーが少しうんざりすることもあるけど、それは僕が結婚して家に子供がいるからなんだ。 実際のツアーで腹が立ったことは一度もない。演奏するのは楽しいし、毎晩でも演奏できる。 ただ、離れていることで落ち込むことはあるね。 今まで行ったことのないような町を回るのは、今でも楽しいよ。 でも、ニューヨークみたいなところはもう飽きたね、面白くないから。
“僕は具合が悪くなってきた。いつもひどく神経質になっているんだ。 ‘Rock And Roll’を始めたら大丈夫なんだけどね。 ただ、座っているのは耐えられないし、下手な演奏をするのが心配で、もしそうなったら、本当に腹が立つ。 いい演奏ができれば、気分はいい。
バンドメンバーもみんな同じで、本番前に歩き回ったり、タバコに火をつけたり、ちょっとしたことをするんだ。 フェスティバルの場合はもっとひどい。1日中座っていなければならないし、疲れてライブが台無しになってしまうから、お酒は飲めないんだ。 みんなに「遠慮しとけよ」と言われるんで、キャラバンの中で座ってお茶を飲んでいる。
15ヶ月で6回のアメリカツアーをしたことがある。
レッド・ツェッペリンに限らずアメリカでのツアーは過酷なようです。例えばジミー桜井の自伝でもツアーの辛さについて書いてあります。
ディープ・パープルもツアーの連続で肉体的に限界だったという記述があります(Wikipediaですが…)。
パット・メセンー・グループのライル・メイズもツアーが辛かったようです。
ツアーに耐えられないミュージシャンは一定数いるようで、それが要因でグループ活動が滞ったり、脱退、不仲になったりということもあるようですね。 マネージメントの立場からは稼げる時に稼ぐという理屈なのでしょうが、アーティスト活動を短命にしてしまう場合は少なくないということは言えそうです。