The Cardigans / Long Gone Before Daylight

最近はipod touchでシャッフルして聴くことが多い。 近ごろはあまり聴かない曲が再生されるので、少し懐しい気分になる(場合もある)。 そんな聴きかたをしていて再生されたのが、The Cardigans の “Long Gone Before Daylight”。

カーディガンズは一般的には”Carnival”や”Love Fool”のイメージが強いのかも知れない。 ポップな曲でヒットしたし、ボーカルの存在感があるので、若干ミーハーな扱いも受けそうではある。 1990年代の中ごろはスウェディッシュ・ポップとくくられていた。 結局2010年ごろまで生き残ったのはカーディガンズぐらいだったのかも知れない。

1998年の4作目”Gran Turismo”はそれまでの素朴というかアコースティック寄りのサウンドからかなりモダンなサウンドになった。 ヒット曲があると、そのイメージでずっと見られてしまう悩みはあったと思われる。 それから少し休止を挟んで2003年にリリースされたのが5作目の本作。

3作目までの素朴さや4作目のエレクトリックなものとはまた方向が違い、しっとりと落ち着いた雰囲気で一段と成長を感じた。 落ち着いた曲でのボーカルは必聴だと思う。

サウンドは統一感がある一方で、メリハリが少し足りない印象を持ったりもした。 それでも各曲のクオリティが高いので結局一枚まるごと聞いてしまう。 1作目・2作目は実験的とも思えるサウンドもあったが、本作は全体としてのまとまりがある。

カーディガンズは割と実験的なこともチャレンジするバンドと認識したうえで、このアルバムを最初に聞いたときは「割とフツーなポップサウンド」的なものをカーディガンズが作るとこれだけ深みのあるものになると思ったものだ。

“Carnival”や”Love Fool”のようなポップなサウンドや”My Favorite Game”のような疾走感のあるサウンドの曲がないので、一聴するとかなり地味ではある。 派手さはないが何度も聴いてしまうアルバムなので、”Love Fool”とは違うカーディガンズを知りたいと思ったらぜひ。

Adsense広告