パットメセニーがライル・メイズについての思い出を語る

(少し時間がたってしまいましたが)ライル・メイズが2020年2月10日に亡くなりました。 個人的にはパットメセニー・グループを再び見ることが出来ないのは残念ですね。 正直、ライル・メイズがいないパットメセニーの演奏はどこか物足りなさを感じてしまいます。

Facebookに投稿したパットメセニーのメッセージを訳してみました。

パットメセニーグループが活動を止めたのはライル・メイズがツアーに飽きていたのが一つの理由だったようです。 ライル・メイズがいない活動はパットメセニー・グループと名乗らなかったのは、メセニーなりのレスペクトの示し方だったのかも知れません。 盟友とでもいうべき人を亡くしたパットメセニーの心中を思うと少し痛ましい。

ここ数日、ライルの逝去についてコメントしてほしいという要望が多く寄せられている。それに応えて、ここ数時間の間に僕は少しの時間を取って、さらに思い出してみた…

僕の最も重要なメンターだったゲイリー・バートンから最初のうちに学んだ大事な教訓がある: “グループを立ち上げた時には、可能な限り最高のミュージシャンを選ぶ義務がある。 そして、もし運が良く素晴らしいメンバーを揃えられたら、さらに重要な義務がある。 それは、彼らがベストを尽くせる環境を作ることだ。”

僕がゲイリーから学んだバンドリーダーとしての任務は、最も才能のあるプレイヤーたちに、彼らが最も興味を持っている ことを可能な限り高いレベルまで発展させるためにあらゆる機会を、支援して提供することだ。(そして、僕は彼がスタン・ ゲッツからそれを学んだのだと思う。そしてまたスタン・ゲッツは…から学んだ… そして無限に続く…。) それはリー ダーとしての目標と交差するプラットフォームを作るだけでなく、全員の探求と拡大のために開かれた世界を提供できるゾー ンを作ることだ。 もしもどちらの側にとっても、その交差点がもはや見えなくなった時は、それは変化を起こす時だ。

ライルの場合、スティーブ・ロドビーと同様に、そういう瞬間は来なかった。 話すことはいつもたくさんあった。 実際、それは無限にあるように思えた。

僕がライルの才能に最初に惹かれたのは、何よりもまず彼のピアノ奏者としてのセンセーショナルな能力の高さだった。 初めて彼の演奏を聴いた時から、彼の演奏がオーケストレーションのセンスを深くそして自然に反映していることに気が付いていた。 それから自然と、前例がないアレンジやオーケストレーションをその場でできる比類のない能力に導いたのだった。 このような側面を小編成のグループ演奏において、インスピレーションを与えてくれるような同様の方法で探求してきたのはジョー・ザヴィヌルだけだった。 グループが、自然に、そして非常に有機的に時代の新しい楽器技術を受け入れることで、新しい種類のサウンドが可能になった。 重要なことに、ライルはギターに対する深い意識も持っていたということだ。 彼は父親がギターを弾いていたおかげで、実はとても上手いギタリストだった。彼は僕と同じように多くの技術と興味を持っていたから無限の可能性が生まれた。

僕たち二人の間では、スティーブ・ロドビーが本質的で時には思いがけずガイド役を務めていたが、いつも音楽そのものの 行き着く先、そしてアイデアがどうなるかにフォーカスしていた。僕たちが何かに取り組んでいるときも、どんな立場でも 一緒に演奏しているときも、いつもそれは僕たち(ミュージシャン)のことではなく、音楽(音楽)のことだった。

共有した時間と音楽にとても感謝しているし、その多くがしっかりと記録されていることを嬉しく思うし、誇りに思っている。 人々はいつでも、何かもっと多くのことがあったのではないかと尋ねる。答えはイエスだ。 夜な夜な、時には何百回もツアーに出るというライフスタイルは、誰にでも当てはまるものではないし、本当にチャレンジングだ。 それは誰にとっても決して簡単なことではないし、それが実際にどのようなものであるかを言うのはほとんど不可能だ。 しかし、日々何が起きていようと、ライルは常にバンドで全力を尽くしていた。

しばらく前に簡単なライブをしたんだけど、彼はホテルやバスなどにはもううんざりしていることがあらゆる意味で明らかだった。 でも、いつか「ウィチタ」のパート2をやろうと話していたんだ。 数年前に本当に奇妙で何とも言えない奇妙なプロジェクトがあって(いつか詳しく話すかもしれない)、一緒にやれたら楽しいだろうなと二人とも同意していいたのだけど、結局うまくいかなかったんだ。 僕たちの間のドアが閉まることはなかった。

僕は彼のプライバシーを絶対に尊重してきた。 そして、それを守ることが近年の僕の一番のことになっていた。 先日に書いたけど。彼がいなくなるのは心の底から寂しいと思い続けることだろう。

他の全てに加えておこう。 ライル、スティーブ、そして僕は半世紀に渡って友人であり、この地球上で、バンドの中でも外でも、人生の浮き沈みを多く共有してきた。 そのことに、なによりも感謝している。

この困難な時期に手を差し伸べてくれてありがとう。 スティーブ、オーブリー、そして僕と彼の家族は、世界中から寄せられた心のこもった言葉に感謝している。

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