同じ音源の古いリリースである Solitudeは持っていたのだが、結局買った。ちなみにORTFというのはフランスの国営TV・ラジオ局のこと。
これはウェスがたった1度だけ行なった1965年のヨーロッパ・ツアーでの録音の一つ。 このツアーの演奏は音源として入手できるものが多い。
Guitar magazine Archives Vol.6 ウェス・モンゴメリーの情報や、Discogsのノートなどを総合すると、 フランス(3月27日) → オランダ(4月2日) → ベルギー(4月4日) → イギリス(4月5日~24日) → ドイツ (4月30日) → イギリス(5月1~7日) というようなスケジュールらしい。 (括弧の日付は録音の記録がある日にち。) このORTFの録音はツアーの初期の演奏ということになるが、バンドとしてのまとまりが感じられる。
蛇足ながら付け加えると”Smokin’ at the Half Note”の録音は1965年の6月(スタジオ録音は9月)。 言いたいのは、この時期のウェスは絶好調だということ。 おそらくテクニックは若いころのほうが勝るだろうが、ミュージシャンとしての脂が一番乗っている時期だと思われる。
音質に関して言えば、このORTFのライブはHalf Noteよりも良いと思う。 Guitar magazine Archives Vol.6 ウェス・モンゴメリーによれば、この時期はトランジスタ・アンプを携行していたらしい。 しかしトランジスタ・アンプを使っていたとは信じられないほどに、うっすら歪みがあってギターの音色はクリーンでも太い。 コード・ソロの厚みはビッグバンドのソリを思わせるので、大音量で聞くことをおすすめする。