Simulinkでローパスフィルターで、ローパスフィルターをかけた信号が遅れると書きました。
1次遅れ系について少し調べてみました。
1次遅れ系は伝達関数が次の式で表現される系のことを言います:
\[ \cfrac{1}{Ts + 1}. \]これのステップ応答は、ステップ関数\(1/s\)を乗じて
\[ \cfrac{1}{s}\cfrac{1}{Ts + 1} = \cfrac{1}{s} – \cfrac{1}{s + \cfrac{1}{T}} \]となります。
これの逆ラプラス変換は
\[ u(t)\left( 1 – \exp\left(\cfrac{t}{T} \right) \right) \]です。時間の指数関数の成分があります。\(T\)が時定数です。
Simulinkでこの系がどうなっているか見てみましょう。モデルはこちら→FirstOrderLagSystem。
この例ではT=20としています。
100秒以上経過してようやく出力が1に近くなることが分かります。 これは
\[ 1- \exp(-5) = 0.9933 \]ということです。Tの5倍くらいでようやく出力が1に近くなるというわけです。
例えば100秒くらい出力を遅らせたい場合は時定数を20秒くらいに設定しておくのが良さそうです。