経済学についてChatGPTと会話してみたら、意外とMMT推しだった件(5)

非常に長くなってしまったので五つに分けることにした:

「科学であること」よりも「実際に役立つこと」こそ重要

「私は質問を間違えたかも知れません。 そもそも経済学は科学になるべきでしょうか。 主流派やマクロ経済では国の財政指針を正しく設定できなかったのですから、それをベースにした議論は論外だと思います。 一方で、実際の財政出動や国債の発行、税の働きなどを最も正しく理解あるいは整理し、不景気にならない経済活動の指針を示すことが求められているように思います。 それが科学かどうかよりも、経験則に基いたとしても、経済を構成するものを正しく機能させることを目指している活動はどんなものがあるのでしょうか。」

経済学が「科学になるべきか?」という問いは、実は根本的な問題です。おっしゃる通り、「科学であること」よりも「実際に役立つこと」こそ重要であり、特に財政政策や経済政策の指針として有効に機能することが求められます。

では、経験則や実際のデータに基づいて、経済を機能させようとするアプローチにはどんなものがあるのでしょうか?

1. 現実の経済運営に基づくアプローチ

以下のアプローチは、経済を「数式で正確に予測する」ことよりも、「実際にどのように機能しているかを理解し、適切な政策を設計する」ことを重視しています。

✅ 1-1. フィナンシャル・レアルズム(Financial Realism)

  • 主張:「政府の財政運営は家計のようなものではなく、貨幣システムの構造を理解すべき」
  • 特徴:政府の財政・中央銀行の役割・国債の機能を現実的に理解する
  • 関連する理論:MMT(現代貨幣理論)に近いが、より実務的な視点を重視

🔹 具体例

  • 政府の赤字=民間の黒字である(政府の財政支出が増えれば、民間の資産も増える)
  • インフレが起こらない限り、政府は財政出動を行うべき(財政赤字そのものは問題ではない)

💡 ポイント
このアプローチは、「国家の財政は家計のように収支を合わせる必要がある」という一般的な誤解を排し、現実の金融構造に即した政策を考える。

✅ 1-2. 産業政策重視のアプローチ(国家資本主義的アプローチ)

  • 主張:「市場に任せるだけでなく、国家が積極的に産業の方向性を決めるべき」
  • 特徴:経済を単なる貨幣の流れではなく、「モノやサービスの生産」として見る

🔹 具体例

  • 日本の「戦後復興」や「高度経済成長」は、政府が特定の産業(自動車・電子機器・鉄鋼など)を支援したことで成功
  • 現在の中国の経済発展も、「政府主導で特定の産業を成長させる戦略」を取っている

💡 ポイント
「財政出動は必要だが、単にカネをばら撒くのではなく、何をどこに投資するのか?」を重視するアプローチ。

✅ 1-3. 「インフレターゲット」よりも「雇用ターゲット」を重視するアプローチ

  • 主張:「インフレ率よりも、完全雇用を優先すべき」
  • 特徴:通貨発行や財政政策を、「失業率を低下させる」目的で運用する
  • 関連する理論:MMTの「ジョブ・ギャランティ(雇用保証)」政策

🔹 具体例

  • 政府が最後の雇用者(Employer of Last Resort)となる制度
  • 失業者には「最低賃金での公的雇用」を提供し、景気が良くなったら民間雇用へ移行

💡 ポイント

  • これは「金利操作やインフレ抑制よりも、経済の健全な運営とは“人が仕事を持っていること”である」とするアプローチ。

2. 実際に「不景気にならない経済」を目指す活動や政策

これらの理論を現実に活かして、不景気を防ぐための政策や運動もあります。

✅ 2-1. ポスト・ケインズ派による財政政策提言

  • 伝統的なケインズ経済学の流れを受け継ぎつつ、「金融資本主義の暴走を防ぐ」ことを重視。
  • 特に、**「民間の過剰債務が不況を引き起こす」**という視点を持ち、政府による調整が必要と考える。
  • 例:リーマン・ショック後の対応(金融危機の際の政府支出の必要性)。

✅ 2-2. MMT(現代貨幣理論)の政策運動

  • MMTの考え方に基づき、積極的な財政支出を提言する動き。
  • 米国では「グリーン・ニューディール(気候変動対策+雇用創出)」の財源理論としてMMTが使われることもある。
  • 「財政赤字を気にするよりも、何に投資すべきかを考えるべき」とする。

✅ 2-3. 「生産力重視」の経済学(Productive Economics)

  • 経済成長を単なる「GDPの増減」で測るのではなく、「実際に何を生産し、社会が豊かになっているか?」を重視するアプローチ。
  • 現在の金融資本主義(投機的取引が経済の中心になっている状態)ではなく、実際に「モノやサービスを生み出す経済」に戻すべきとする。

結論:「経済学が科学であるべきか?」ではなく「何が現実的に機能するか?」が重要

おっしゃる通り、「科学であるかどうか」よりも、現実の経済を健全に機能させることこそが重要です。

🔹 経済学が「科学」になるかどうかよりも、以下の点を重視するアプローチが求められる:

  1. 政府の財政運営の現実を正しく理解する(Financial Realism)
  2. 産業政策を活用し、成長の方向性を決める(国家資本主義的アプローチ)
  3. 雇用を経済の中心に据える(雇用ターゲット型経済政策)
  4. 実際の経済活動を重視し、金融経済に偏らない(生産力重視の経済学)

現在の主流派経済学(特にマクロ経済学)は、これらの現実的な問題に十分に対応できていません。そのため、「経済学が科学かどうか」という問いよりも、「どの理論や政策が実際に機能するのか?」を問うべきでしょう。

💡 「財政をどう運営し、景気を維持し、生活を安定させるか?」という視点に基づいた経済の見方が今後ますます重要になるでしょう。

「上ではMMTが複数挙がっています。 『財政をどう運営し、景気を維持し、生活を安定させるか?』という視点に基づいた経済の見方をする場合、MMTの考え方は非常に有効に思われますが、どうでしょうか。 もちろんMMTが万能ではないと思いますが。」

MMT(現代貨幣理論)は、「財政をどう運営し、景気を維持し、生活を安定させるか?」 という視点において、非常に有効な考え方の一つです。

ただし、万能ではないのも確かで、実際の政策運用にあたっては注意点もあります。以下、MMTの有効な点と課題を整理してみます。

✅ MMTの有効な点

MMTは、主に「政府の財政運営」に関する誤解を解き、より柔軟な経済政策を可能にします。

1️⃣ 「政府の財政は家計と異なる」という現実を明確にする

  • 一般的に、「政府の借金=悪」とされがちですが、MMTは**「政府の赤字=民間の黒字」**と整理し、政府の役割を適切に再評価します。
  • 国が自国通貨を発行できる限り、「財政破綻」という概念は意味をなさない(ただし、インフレには注意が必要)。

💡 ポイント
「財政健全化=緊縮」という誤解を解き、適切な財政政策を行うための理論的基盤を提供。

2️⃣ 「財政赤字そのものは問題ではなく、インフレが問題」

  • 一般的な経済学では「赤字を減らすこと」自体が目的になりがちですが、MMTでは「赤字か黒字かではなく、インフレが起きるかどうかが重要」とする。
  • つまり、「財政出動してもインフレが起こらない限り、問題はない」という考え方。

💡 ポイント
「政府支出=インフレを起こす」という単純な思い込みを排除し、冷静な政策判断を促す。

3️⃣ 「完全雇用を実現するためのジョブ・ギャランティ(雇用保証)」

  • 政府が「最後の雇用者」となり、失業者に対して最低限の仕事を提供する仕組み。
  • 失業率が増えると自動的に雇用保証プログラムが拡大し、景気が安定しやすい。

💡 ポイント
「仕事がない人には政府が最低賃金の仕事を提供する」ことで、経済の安定化を促進。

⚠️ MMTの課題や限界

MMTは有効な点が多いですが、万能ではありません。以下のような課題も指摘されています。

1️⃣ 「インフレ管理が簡単ではない」

  • MMTは「インフレが制御できるなら財政支出は問題ない」とするが、インフレを正確に予測・制御するのは難しい
  • 過度な財政支出が「特定の分野」に偏ると、その分野だけがインフレを起こす可能性も(例:住宅バブル、医療費の高騰)。

💡 課題
インフレがどの分野でどのように発生するかを正確に把握する方法が必要。

2️⃣ 「国際的な信用と通貨の価値」

  • MMTは「自国通貨建ての国債ならデフォルトしない」とするが、外国との取引では通用しない。
  • 特に、日本のような輸入依存経済では、円の価値が大きく下がると輸入コストが上がり、インフレを引き起こす可能性がある(通貨安インフレ)。

💡 課題
国内経済だけでなく、国際経済とのバランスを考慮する必要がある。

3️⃣ 「財政支出の効果をどう測るか?」

  • MMTでは「適切な財政出動が重要」とされるが、どの分野にどれだけ支出すれば良いのか?という問題が残る。
  • 「財政支出をすれば本当に生産力が上がるのか?」という点は、実際の政策設計の中で慎重に考える必要がある。

💡 課題
単なる財政支出ではなく、成長につながる投資(インフラ・教育・技術開発など)に重点を置く必要がある。

✅ まとめ:「MMTは有効だが、慎重な運用が必要」

MMTは、「財政破綻という概念の誤解を解き、経済を適切に運営するための強力なフレームワーク」を提供します。
特に、「財政赤字=悪」という誤解を解き、「インフレが起こらない限り、適切な財政出動は可能」という考え方は極めて有用です。

ただし、

  • インフレをどう制御するか?
  • 国際的な経済環境をどう考慮するか?
  • 財政支出をどの分野に重点的に行うか?

といった点については、慎重な議論と実証が必要です。

💡 結論:「MMTは非常に有効な経済の見方だが、実際の政策運用では慎重な判断が求められる」

実際の財政政策にMMTの考え方を活かしつつ、適切な運用の仕組みを考えていくことが重要でしょう。