高中正義のソロ・デビュー作なのですが、リラックスした雰囲気があります。
ソロ・デビュー作とは言っても、高中の場合はフライング・エッグやサディスティック・ミカ・バンド、サディスティッスと錚々たるミュージシャンとの共演を経ているせいか、どこか余裕を感じます。プリズムやカシオペアのデビュー作よりずっと落ち着いてますよね。
このアルバムには、ベースに後藤次利、キーボードに今井裕、作詞で高橋ユキヒロと、サディスティックス組が参加しています。 こうしたメンツがリラックスした雰囲気に一役買っているのかも。 曲によっては、後藤次利のベースがかなり主張していて面白い。
サウンドはクリーンにコンプレッサーをかけたものが中心で派手な歪みは目立ちません。 今聴いても、このサウンドはあまり古臭さは感じない。ヤマハのSGを使ってもクリーン・サウンドはあまり変わってないせいでしょう。 そういう意味ではクリーン・サウンドは確立されていたわけです。
ギターはストラトではなくて、確かBCリッチだというのを読んだことがあります。 あとサンズアンプを使ったようですね。この頃のサウンドの秘密はこの辺りなのでしょう。
高校生のころは、初期の高中作品はあまりピンと来なかった思い出があります。 たぶん、テクニカルなフュージョンを期待してたせいです。
年齢を重ねてから聴くと、こういう少し大人な路線の良さがしみじみ分かる。時間がかかりました。