ぼくの大学のジャズ研ではさっぱり人気のなかったリー・リトナーで一番好きなのが、このアルバムです。
(たぶん)リトナーの心の師匠的なデイヴ・グルーシンとの共作です。
イヴァン・リンスがボーカルで参加していて、ブラジリアンな雰囲気が満載です。
ブラジリアンなリトナーのアルバムと言えば”Rio”がありますが、このHarlequinの方が落ち着きがあり、もっと涼しげです。 ラテン系のパーカッションが入ってないためでしょうね。
ギターについて言えば”Rio”と同様にナイロン弦が中心ですが、サウンドがより洗練されています。 エフェクター臭いという向きもあるかと思いますが、ナイロン弦サウンドのお手本の一つかと。
曲はグルーシンが3曲、リトナーが2曲、イヴァン・リンスが2曲、ハーヴィー・メイソン/マイク・ラングが1曲。 ゆったりした曲が多いです。ナイロン弦は夏が似合うな、と。 なによりガットギターとグルーシンのピアノの絡みが絶妙です。シンプルな旋律でやさしく見守るようなピアノも聞いて欲しい。
リー・リトナーはフュージョンの人ってイメージが強いかも知れませんね。でも、実際にはフレーズはかなりジャズっぽいと思うのです。 どんな曲でもターンアラウンドのところはもろにII-Vなフレーズを連発します。
ぼくのお気に入りは”Grid Lock”です。