小さいころから「神経質」と言われ続け、何だかそれが悪いことのように思ってきました。 最近、highly sensitive person という概念があることを知って、自分はそうなのかなと思って関係する本を読んでみました。 (紹介は下の方です: 敏感にもほどがある、「敏感すぎる自分」を好きになれる本、The Highly Sensitive Person: How to Surivive and Thrive When the World Overwhelms You、ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫))
読んでみて自分はHSPだと認識できて、自分との性質との折り合い方を捉え直すことが出来ました。 自分の敏感さを周囲の人は理解できないことを認識すると、開き直りもしやすいものです。
自分の感覚が敏感すぎて生きづらい人は一度読んでみると良いと思いますよ。 苦しいのは自分だけではない、ということが分かるだけで少し気持ちが楽になります。
highly sensitive person (HSP) って何?
「まわりの出来事や人の気持ちに対して非常に敏感」な人のことです。
敏感にもほどがあるには、HSPの特徴が5つ挙げられています:
- 刺激に敏感に反応する
- 人の影響を受けやすい
- 直感力があり、ひらめきが強い
- 慎重で自分のペースで行動することを好む
- 内的生活を大事にする
別の本では別の特徴も挙げられていますが、基本的に敏感(他の人から見れば過敏に思えるほど)な感受性の持ち主ということです。
ぼくの場合
ぼくの場合が困ることは次のようなことです:
音に敏感
音にびっくりしやすく、寝ていても小さい音でも目が覚めてしまいます。アパート暮らしの頃は隣人・上階・下の階の音に悩まされました。なので、集合住宅での生活は無理です。
ぼくがずっと悩まされているの音の問題です。最近は耳栓にハマっていて、耳栓でだいぶ問題を緩和できることがわかって嬉しいです。
人といると疲れる・一人の時間が欲しい
基本的に「つきあい」が苦手です。飲み会は楽しいというより疲れます。お店の店員さんとの応対も苦手です。 シャイというか内気というか、ちょっとしたやり取りもストレスです。
朝の散歩も人と挨拶するのがイヤなので、あまり人がいない道を選びます。
今は10人もメンバーがいるグループのマネージャーなのですが、最初は毎日ぐったりです。今はだいぶ慣れましたが、疲れることには変わりありません。
服の感触に敏感
ピッチリしたものが苦手で、落ち着かなくなります。
感動しやすい
映画でもドラマ、アニメ、小説でもちょっとしたことで涙が出ます。自分で話をしていても、泣きそうになる時があって困ります。
無防備に良心的というか、付け込まれやすい
敏感にもほどがあるでは「エナジーバンパイア」に狙われやすい、とあります。
共感しやすいのか、人の話を理解しやすいのか、相手のペースに巻き込まれやすい。言い換えると自分のペースを保てなくなります。 交渉事はかなり苦手です。
ネットの良いところは、自分のペースを保ちやすいところです。チャットは疲れることがありますが…。
いい年齢のおじさんなので、立ち振る舞いは一応訓練しています。が、疲れることには違いありません。
母親からは「神経質すぎる」と言われ続け、自分を責めたり、「克服」しようとしたりもしました。結局は「直す」ことはできませんでしたが。
親の理解がないことに結構傷ついたものです。HSPのような先天的なものであれば、なおさらです。 HSPは親との関係がこじれやすいという指摘もあります。
HSPでも克服できることはある
ぼくも、とても恥ずかしがりで内気な子でした。ただ人前での立ち振る舞いはある程度克服できると思います。
10代まではとにかく恥ずかしがり、人前では緊張しまくる子でした。人前に出るのは場数を踏めば若干は慣れます。緊張しなくなる、ということではなくて、対応できるようになる、という意味です。
HSPの性質の一つで「慎重でミスをしないように気をつける」がありますが、ぼくもこの性質は強く持っています。 学会の発表などは周到に準備・練習をしたものです。人前での立ち振る舞いはある程度克服できるものの一つではあります。
自分の性質との向き合い方
開き直りが必要だと思っています。自分としては次のようなことを心がけています:
他人の気持ちが分かりすぎても、自分の気持ちを優先する
嫌なことは我慢しない。我慢できないことは逃げてしまう。
環境を自分でマネージする
HSP関連の本
敏感にもほどがあるはHSPあるあるネタで楽しく読めます。自分はこの本の著者とよく似ています。
周囲の人が理解できることがすぐに理解できない、というのは悩みの種です。 自分の感覚を少し鈍くするというか、レベルを下げて理解するようなことを無意識にやって話を合わせる感じはします。
周囲が気付かないことは割と気付きやすいのですが…。
「敏感すぎる自分」を好きになれる本は臨床医の先生の書いた本で、割と体系的に書かれています。HSPの特徴、生き方の指針のようなことが整理されて書かれています。HSPをヨイショしてくれる部分はこそばゆいかな。
HSPの子の親向けの章の「HSPの子どもは、臆病で、引っ込み思案、恥ずかしがり屋さんで、雑踏が苦手で、音に敏感かもしれませんが、それもその子だけの大事な個性なのです。」には涙が出そうです。小さい頃の自分を抱きしめてあげたい。
The Highly Sensitive Person: How to Surivive and Thrive When the World Overwhelms YouはHSPの提唱者のアーロン先生の著書です。原書(英語)です。さっそく今読んでいる最中です。
残念ながら翻訳本(ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (SB文庫))は訳文の評判が今ひとつのようです。ご参考まで。
上の本の翻訳本です。
おわりに
ぼくはHSPで左利きで、とにかく生きづらい。周りに気を遣いすぎ、自分をすり減らし気味です。長生はできないかなーと思っています。
似たような性質の持ち主であれば、これらの本は生きづらさを少しだけ楽にしてくれるかも知れません。
おまけ
以前カウンセリングを受けていました。周囲の人の洗剤の臭いで気分が悪くなると言っても分かってもらえませんでした。 カウンセラーは敏感するぎると思ったようで、ぼくは「あーまたか」という感じです。カウンセラーにもHSPの概念はまだ一般的ではないようです。