ロック式(フロイド・ローズなど)ではないトレモロ・ユニットでチューニングの狂いに悩んでいる人は、潤滑剤を使うと改善するかも知れません。
長い間、トレモロのアーミング後のチューニングの狂いに悩んできました。最近、グリスをブリッジに塗ってみたら驚くほど改善したので、書いてみます。
なんだ、当たり前じゃん、と思う人は多数でしょうか。ぼくはナット側はグリスを塗っていましたが、最近までブリッジ側はあまり気にしていませんでした。
目次
チューニングが狂う原因
図はギターの弦の様子を模式的に表現したものです。
アームダウンすると弦の張力が緩みます。弦の張力が緩むと弦が弦の方向に若干動きます。
弦が動くと、弦と接触している部分(ナット・ブリッジ・ペグ)が擦れます。接触部分の摩擦が大きいと、アームを戻した時に弦が元の位置に戻りません。 接触部分で引っかかるわけです。
この接触部分での引っ掛かりがアームダウン後のチューニングの狂いの原因です。
フロイド・ローズなどは、ナットのペグ側、ブリッジのスプリング側の付近で弦をロックすることで接触部分での弦の動きをロックしています。 こうすることでチューニングの狂いを抑えているのです。
弦と接触する部分にグリスを塗る
弦が引っかかりやすい場所の摩擦を下げることでチューニングの狂いが緩和されます。
引っかかる部分はナット、ブリッジ、ペグの部分です。ですから、チューニングを安定させるためには、これらにグリスを塗るのが必要なのです。
ただし、ペグの部分にグリスの塗るのは良いのか分かりません。ぼくの場合は、ペグはGOTOHのマグナムロックを使ってロックしています。
ぼくは今までナット部分だけに着目してグリスを塗っていました。チューニングの時にナット側で「ピキッ」という音がしていたからです。 そのせいでブリッジは弦があまり動かないと思い込んでいたのです。
しかし、ナットをいくらグリスアップしてもチューニングの狂いは解消しません。ブリッジにも根気よく塗ることで、チューニングの狂いはかなり解消できます。
ブリッジのグリスアップ方法
ブリッジをグリスアップするのは少し工夫が必要かも知れません。ぼくは弦を緩めた状態でアームダウンしながら接触部分にグリスを塗っています。
チューニングが安定するまで、効果的なポイントを探しながら塗ると良いようです。
ちなみにグリスは Freedom Custom Guitar ( フリーダムカスタムギターリサーチ ) / SP-P-08 を使っています。 これが一番良いかどうかは正直分かりません。色々試すのも良いかも知れませんが、ぼくはこれでチューニングの狂いが抑制できています。
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弦の接触部分、それ以外の動きを減らす工夫
上の図以外にアームダウン時に動く部分があります。それは
- ストリングガイド
- トレモロ・ユニットの支持エッジ部分
です。
ストリングガイドがある場合は、そこもグリスアップが必要だと思います。 ぼくはハイトアジャスタブルポスト(ポストの高さが調整可能)のマグナムロックを使って、ストリングガイドを外しています。
ギター用ペグ, H.A.P-M(ハイトアジャスタブルポスト マグナムロック), 6連, ギア比1:15, ニッケル
またトレモロ・ユニットも2点支持のもので、エッジでの摩擦を減らしています。
ギター用トレモロユニット, カラー:クローム, スチールブロック, ナロースペーシング 10.5mm