少し前にNHK BSプレミアムで放送していました。
共産党独裁かつ独裁者スターリンのもとでの当時のソビエト連邦の空気はこんな感じだったのね、と思えます。
映画なので脚色されているでしょうし、見ようによってはコミカルにも取れるので、実際はもっと暗鬱としたものだったと想像できます。
スターリンが死ぬ直前から死んだ後の政権の移行の内情はよく分かって、大雑把なソ連の歴史を掴むには手っ取り早い。 フルシチョフはこんな感じの人だったのか、なんて思ったり。
独裁者が死ぬと口封じに殺されてしまう周囲の人々、独裁者のもとでやりたい放題やってきた秘密警察のトップヘのリンチは、見ていても唖然とします。 秘密警察のトップはスターリンの粛清の右腕だったようです。殺すリストを持っていて、好き放題に殺しまくっていた。 共産党独裁のもとでの倫理観ってこういうものなんですね。
密告が怖くて本当のことを話せないのは、スターリンが死んでもあまり変わらなかったでしょうね。 C国も経済的に調子が良ければ国民の不満は少ないでしょうが、経済が不調になると不満を封じこめる圧力は強まるでしょうね。 かつで存在した共産党一党独裁の雰囲気を知るきっかけにはなると思います。 共産党とか言っても要は「皇帝」の名前が変わっただけで、以前の「皇帝」よりも国民の苦しは改善せず冷酷さだけが増したと言ったところでしょうか。
プーチンが失脚したら似たようなドラマが起きるのか、もっと残酷なことになるのか、なんて考えていまいます。
映画そのものは、登場人物が多めなのと、基本的に歴史ものなのでドラマティックな要素は希薄。 ピアニストのエピソードも弱く感じる。最後にちらっと出てくるブレジネフの俳優は似ていて少しゾっとします。