ジミー・ペイジが語る「胸いっぱいの愛を」 のSE

Jimmy Page on the Making of ‘Whole Lotta Love’: ‘Evil Sounds That You’re Not Supposed to Hear’ | Ultimate Classic Rock & Cultureにジミー・ペイジのインタビューがあったので訳してみる。 「胸いっぱいの愛を」(“Whole Lotta Love”)のSE(Sound Effect)についてが興味深い。

「この曲の進化の時点で、全体のアレンジがどうなるかは頭では分かっていたが、いかに激しい土台を作ることに集中しているかを聴いてもらいたかったんだ」と、この特定の演奏を選んだ理由を尋ねられたペイジはこう答えている。 「この曲での(ロバート・プラントの)パフォーマンスもまた、驚くべきものだと思う。彼はガイド・ヴォーカルを歌っているだけなんだけど、かなりいい感じだろう?ドラムの一部と最後のテルミンのパート、そして中間部のロバートのボーカルしか聞こえないけれど、本当に雰囲気があって、それだけで十分なんだ。」

“Whole Lotta Love”を語るには、中間部の奇抜なノイズの数々をバンドがどのように作り上げたかについての一言が欠かせないが、ペイジは気さくにその情報を教えてくれた。

「自分が何を欲しいのか、どうすればいいのかは分かっていた。ただ、それを実行に移すだけだった。 ほとんどの音はテルミンとギターでつくった。高い音のほとんどはテルミンを使い、レスポールは低い音を作る。

もちろん、そんなに簡単なことではない。

「僕はぐしゃぐしゃにチューニングを狂わせて、基本的に弦を引っ張ってうなり声のようなノイズを作り出した」とペイジは続ける。 「ラジオでは聴くことができないような邪悪な音さ。 でも、弦を引っ張って、うなり声を出しているだけなんだ。 それから、エンジニアのエディ・クレイマーと一緒に、パンニングを行い、テープ・マシンの低周波発振器を使って、音がリズムを刻むように全体を下げたり上げたりするなどのエフェクトをかけた。 曲の途中はもちろん、そのような状況では誰もやったことがなかった。 それくらい、僕らは進んていて、アバンギャルドで、楽しんでいたんだ」。

それは結局のところ、ペイジが言うところの「芸術的なコントロールを持つことの利点」によるものであった。 「もし、外部のプロデューサーがいたら、こんなことは起きなかっただろう。 外部のプロデューサーがいたら、僕がやっていることに疑問を持ったり、理解できなかったり、ただ騒いでいるだけだと思われたかもしれない。 僕が干渉されることなく、自分たちのアイデアを確実に実行することができた」と言っているように。

“Whole Lotta Love”の”Isolated Guitar Track”で前半のギターと後半のテルミンのSEが聞ける。前半はアーミングのようにも聞こえる。

(2023-04-07追記: 最初に埋め込んでいた動画がYouTubeから消えてしまっているので、リンクを差し替えた。12:07からギターパートを聞くことができる。)