エレキギターのピックアップの動作原理 (2/2)

エレキギターのピックアップの動作原理 (1/2)のハムバッカー編。

ここではString-centric Model (弦を中心に据えるモデル)でハム・キャンセルについて考察している。 つまりピックアップのマグネットは弦を磁化し、その磁化した弦の動きでコイルが発電するというモデルからハムバッキング・ピックアップの原理を理解しようとしている。

エレキギター・ピックアップの磁場解析: ハムバッカー編で解析してみたので、ポールピースや弦の磁化のされ方が分かってきた。

ハムバッカーの場合は磁化の様子は簡略化して描くと下のようになるだろう:

左右のコイルの巻かれている方向が逆になっていることに注意。これがハムバッカーのキモになる点だ。 これが同じ向きだと弦の動きに対して起電力が打ち消しあってしまう。これは下で説明する。

ではノイズキャンセリングされる原理について考察していく。

弦の動きによるピックアップの出力

まず弦の動きの場合、上の図の通り二つのボビン上の弦の磁化は反対向きになっている。

したがって誇張して描くと下の図のように、向きが逆の磁石が同相で上下に振動する。 この場合、コイルの起電力は左右のコイルで足される方向に発生する。

コイルの起電力の向きについて

起電力の向きについて補足しておく。

起電力はコイルか感じる磁界の変化を妨げる方向に発生する。この時の電流の向きは右ねじの法則に従う。 (たとえば右ねじの法則(右手の法則)とは?わかりやすく解説!|Electrical Informationを参照のこと。)

例えば図中の右側のボビンに対しては、N極が近付いて来た場合はそれを妨げようと上向きの磁場を発生させる。 その場合はコイルの上から見て反時計回りの電流が発生する。

一方図中左側のボビンはS極が近付く場合は、下向きの磁場を発生させる。この場合はコイル上から見て時計回りの電流が発生する。

ノイズの場合

ギターのピックアップから出るノイズは基本的に電磁波を拾うものだが、弦と異なるのは磁界の変化が左右のボビンで同じという点だ。 だから、誇張して描けば下図のように同じ向きの磁石が振動する状況になる。

この場合、左右のボビンで発生する起電力はキャンセルする方向になる。これがハム・キャンセルの原理だ。

左右のボビンでコイルの巻く向きが異なるから、同相で入ってくるノイズはキャンセルされ、逆相で入る弦の振動は信号となる。 左右のコイルの巻く向きが同じであれば、ノイズのみが出力され、弦の振動はキャンセルされてしまうだろう。

個人的には、エレキギターのピックアップの動作原理 (1/2)で紹介した動作モデルの「Magnet-centric Model (マグネットを中心に据えるモデル)」ではハム・キャンセルの原理は理解しづらい。 もしも、Magnet-centric Model (マグネットを中心に据えるモデル)で説明ができる人がいるなら教授頂きたい。 その場合は弦の動きが磁場を乱すというモデルを電磁気学的に説明して欲しい。

おわりに

今までなんとなく理解したつもりでいたハムバッカーの原理について、個人的にはすっきり理解できた気がしている。

理解できたかどうかは、本人次第なので上の説明で納得できない人がいても不思議ではない。

コメントを残す

このブログのコメント欄は掲示板ではありません。自分語りがしたい方はご自分のサイトでお願いします。

コメントはサイト管理者の承認制です。コメントの内容によっては必ずしも承認されませんが、それでも良ければコメントをどうぞ。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください