リチウムイオン電池のSOC (State of Charge)という概念は有名だが、SoE (State of Energy)という指標もあるということを知った。 (SOCやSoEはリチウムイオン電池に限った概念ではなく、二次電池一般で使われる概念。)
どのくらいポピュラーな指標なのか不明だが、メモとして残しておく。
よく知られているSOCは充電率のことで、何%充電されているかを表わす。
式では次のようになる:
\[ \mathrm{SOC} = \cfrac{1}{\mathrm{FCC}} \int_{t_0}^{t} I(\tau) \mathrm{d}\tau + \mathrm{SOC}(t_0) \]ここでFCC = Full Charged Capactiy は満充電容量を指す。
さてSoEはどうか。
SOCは電流値についてだけだったが、SoEは電流とバッテリー電圧の積、つまり電力を時間積分する。結果は電力量(=エネルギー)というわけだ。
\[ \mathrm{SoE} = \cfrac{1}{\mathrm{FCE}} \int_{t_0}^{t} I(\tau)V(\tau) \mathrm{d}\tau + \mathrm{SoE}(t_0) \]ここでFCE = Full Charged Energy は満充電でのエネルギーを指す。FCEは一般的はなく、FCCのアナロジーで自分がここで勝手に作ったものなので注意。
SoEは(名前の通り)バッテリーに蓄えられたエネルギーに関する指標である。 このバッテリーでどのくらい仕事ができるかを考える場合には有用だろう。と頭では思うが、実際はどうなのか。要は馴染の問題だろうか。
ずっと市民権を得ていると思われる SOCは電荷量(Ah)に関する指標である。 たいていはバッテリーの電圧をSOC全域でほぼ一定と見なして計算しても、それほど大きな問題にはならない。(と思うが、違う場合もあるかも)。