チリ産サーモンの安全性、そして「さけ」と「しゃけ」話

スーパーの鮮魚コーナーでずらりと並ぶサーモンはチリ産ば多い。値段も手ごろで、私も以前はよく買っていた。 ところが、ある動画で「チリ産は避けたほうがいい」という話を耳にした。 価格の安さの裏に何があるのか気になって、少し調べてみることにした。

チリ産の鮭の安全上の懸念

チリ産の鮭は安いですが、安全上の懸念はありませんか?

とても良い質問です。チリ産の鮭(特に養殖サーモン)は、価格の安さから日本でもよく流通していますが、安全性に関してはいくつかの懸念点があります。以下にまとめます。

【懸念されているポイント】

1. 抗生物質の使用

チリではサーモン養殖において病気(特にサーモンラケ菌など)を防ぐため、大量の抗生物質が使用される傾向があります。

  • 日本やノルウェーと比べて 使用量が非常に多い ことが報告されています。
  • 抗生物質の残留リスクや、耐性菌の問題が懸念されています。

2. 環境汚染と養殖環境

養殖密度が高く、水質が悪化しやすいと言われています。

  • 排泄物や未消化の餌によって水質が汚れ、サーモン自体の健康にも影響が出る可能性があります。
  • 汚染物質が魚に蓄積する懸念もあります(PCBや重金属など)。

3. 飼料の質

  • 植物油や穀物など、本来サーモンの食性ではない原料を多く使っており、栄養価や脂質バランスが変わることがあります。
  • また、着色料(アスタキサンチン)を与えて身の色を調整することが一般的です。これは問題視されることもありますが、健康への明確な悪影響は報告されていません。

【安全基準と検査について】

日本に輸入されるチリ産の鮭は、食品衛生法に基づき検疫・検査を受けており、基準値を超える抗生物質が検出されれば輸入できません
つまり、基本的には「市場に出回っているものは安全とされている」と言えます。

【まとめ】

  • 加熱して食べればリスクはさらに低くなる(抗生物質や細菌リスクを下げるため)。
  • 生食(刺身や寿司)にするなら、信頼できるルートで仕入れられた製品を選ぶのが安心
  • 値段だけで選ばず、産地や養殖方法の表示もチェックするのが賢明です。

もし「安心して食べたいけど、価格も重視したい」場合は、ノルウェー産のサーモンや、国内のブランド養殖も比較検討する価値がありますよ。

普段はどんな食べ方で鮭を食べることが多いですか?

食品添加物や飼料に混ぜられる抗生物質など、産業的に合成された化学物質の多くは、長期的な生体への影響が十分に確認されないまま使用されている。 そのため、後になって規制されるケースも少なくない。

もちろん安全なものもあると思うが、そもそも食品に使われる化学物質は、安全性よりも商品価値の向上を目的として使われることが多い。 ここでいう商品価値とは、コストの低減、見栄え(発色・質感)の向上、長期保存などを指す。 抗生物質の場合は病気を防ぎ、収率を高めるために用いられる――つまりコストを抑えるための手段だ。 結果として、コストが優先され、安全性は二の次になる傾向がある。 もちろん、人体に即効性のある有害物質が使われることはないだろう。

とはいえ、長期間にわたって継続的に摂取した場合の影響は、現実的にはなかなか調査しづらい。 あまり神経質になってもきりがないが、わざわざ食品添加物の多いものを選ぶ必要はないと思う。

そんな理由から、私は鮭はチリ産を避けている。 チリ産以外の鮭は意外と少ないが、値段はそれほど変わらない。 特別裕福でなくても、チリ産以外を選ぶハードルはそれほど高くない。

外食産業では、より安価な原料を使う傾向があると思う。 外食で「お得感」のあるメニューを見かけると、その食材がどうやって調達されているのか気になることがある。

おまけ: 「さけ」と「しゃけ」

ちなみに「さけ」と「しゃけ」の読み方の違いは何が由来ですか?

おお、いいところに気がつきましたね!
「さけ」と「しゃけ」の違いには、言葉の歴史文化的なニュアンスが絡んでいます。

簡単にまとめると、こうです:

【読み方の違いの由来】

1. 本来の正式な読みは「さけ」

  • 古くから日本語では「さけ(鮭)」と読んでいました。
  • 万葉集や古文書でも「さけ」と書かれており、これはかなり古い呼び方です。

2. 「しゃけ」は訛り・親しみの表現

  • 特に北海道や東北地方など、一部地域では「さ」が「しゃ」に変化する方言的な発音がありました。
  • この柔らかい言い回しが、家庭料理や日常会話の中で広まりました。
  • つまり「しゃけ」は、親しみを込めた言い方というニュアンスが強いです。

【今の使い分けイメージ】

読み方ニュアンス
さけ文章、正式名称、漁業・生物学的な話題のときに使われることが多い
しゃけごはん、家庭料理、普段の会話で出ることが多い(例:「しゃけ弁」など)

【雑学】

ちなみに「酒(さけ)」と「鮭(さけ)」は語源的に関係がある説もあって、
昔は「魚を発酵させたもの(=鮭のなれずし)」を「さけ」と呼び、それが「酒」にも繋がった、
なんて話もあるんですよ。面白いですよね!

もっと深堀りして、地域ごとの発音の違いなんかも紹介しましょうか?