なんだかんだ言って、マイク・スターンと言えばこのアルバムの”Gossip”と”Chromazone”のイメージが強い。 クロマチックなテーマをサックスとユニゾンで弾いて、熱いソロ合戦を繰り広げるスタイルがしっかり確立した感じがします。 代表作と言っていいでしょう。
まあ「金太郎飴」などと、どのアルバムもマンネリという悪口も聴こえましたが、スタイルがしっかりあるのは悪いことではないはずです。 別の曲でも、このスタイルだとやはり嬉しい。
メンバーはというと、”Gossip”と”Chromazone”のサックスはマイケル・ブレッカーで、それ以外はボブ・バーグですね。 気のせいか”Gossip”と”Chromazone”でのギターの気合の入り方が他と違う気が…。 サックスはマイケル・ブレッカーとボブ・バーグでは全然違います。 ボブ・バーグがダメってことはないですが、ブレッカーはさすがなプレイです。
そのほか、ドラムはピーター・アースキン、ベースはジェフ・アンドリュース、キーボードはジム・ベアード、オルガンが ドン・グロルニック。
ギターのサウンドは前作で使っていたオクターブ上のピッチシフターは使ってないようです。 クリーンサウンドは太めで輪郭がはっきりして、歪みもすっきりしたサウンドになっています。
ただリバーブが強めで少し奥まったところから聞こえますな。 エフェクターペダルはそんなに変えてないと思われますが…。 前作はもっと生々しいサウンドだったのに。 プロディーサーがスティーブ・カーンなせいなのか。
この頃はフレーズ的にはまだウニウニ感が控えめです。 マイク・スターンはやはりものすごく練習したんでしょうね。 この後どんどんウニウニ度(←なんだよそれ)が強化されていきます。 盛り上がると繰り出すロング・ディレイ+ラン奏法技はこの辺りから使うようになったんですね。