BOSS OD-1 (オーバードライヴ) コピーモデルの製作

(2018-10-24 ダイオードの立ち上がり電圧の記述を訂正しました。)

今は絶版のBOSS OD-1(Overdrive)のレプリカを作りました。レアなクアッドオペアンプのバージョン。 絶版なので、中古を買うか作るしか選択肢がありません。ので、作りました。

本家との違いはトゥルーバイパスになっている点ですね。

GT-100(BOSS/GT-100 COSM Amp Effects Processor)にもモデリング(本当はSD-1なのかも知れないけど…)が入っているんだけど、とくにオーバードライヴ系は今ひとつ気に入らなかった。悶々とした日々が続き、とうとうエフェクターを自作しました。適当なエフェクターを買っても良いのですが、自作の虫が疼いたのですね。なんのためのGT-100なんだか…。

でも音は良かった。これは欲しかった音。しばらくこれで遊べます。

この後5つくらい作る予定。IbanezのSonic Distortion modも良さそうなので、それも考えるとまた悶々とする日々を過ごせそうです。

情報集め

回路図はHomemadeFXさんのものを使います。本家は削除されていますので、archiveを参照して下さい。

プリント基板は以前はPASさんが扱っていたのですが、現在は扱っていません。それほど細かいパターンではないので、自作もさほど難しくはないでしょう。

(PASさんはTidemarkというブランドになり、以前とはビジネス内容が違います。現在はアコギ向けのイクイップメントを扱っています。)

部品リスト

上記の回路図とレイアウトではボリュームのカーブが違います。下の部品リストでは回路図の方を採用しています。まあ、大して違わないと思います。

部品定数(値)数量
抵抗器(すべて1/4W) 単位はΩ4701
1K1
4.7k3
10k4
33k3
100k1
220k1
470k1
コンデンサ(フィルム) 単位はF(ファラッド)0.018µ1
0.047µ2
0.1µ2
電解コンデンサ(単位はF:ファラッド)1
10µ1
47µ1
100µ1
ダイオード11V zener1
1N41483
LED1
OP ampMC3403N1
ボリューム1M(Aカーブ)1
10k(Bカーブ)1
ジャックモノラル1
ステレオ1
DC in ジャックMJ 401
ICソケット14pin1
ノブinch2
ケース1590B1
フット SW1

Zenerダイオード

Zenerはちゃんと入れた方が良いです。間違えて18Vの電源をつないでもZenerが入っていれば保護してくれます。フツーのシリコンダイオード入れても全く効果ないです(フツーのシリコンダイオードを入れれば良いという乱暴なことを書いているブログがありますので注意しましょう)。

1N5242Bを使いました。これは降伏電圧が12Vの Zenerですが使えます。あまり高い電圧で降伏するものは意味がないので12Vくらいが適当でしょう。

電源まわりの保護回路なので、何を選んでも音には影響しないでしょう。Amazonにもありますが、秋月通商の方が20個入りで手頃です。12Vツェナーダイオード1N5242B(20本入)

ダイオード

回路を見ると1S1588になっていますが、ここでは 1N4148 を使っています。違いがあるかどうかは分かりません。

理屈からいうと、どちらもシリコンダイオードなので、クリップする電圧に大きな違いはありません。(材料にだけ依存 厳密に言うとドーピング濃度に依存します。)そうは言っても微妙にクリップする電圧が違うので、音に影響することはあるでしょう。ぼくは気にしませんでしが…。

オペアンプ

入手が難しいのはオペアンプ MC3403Nです。ぼくはPASさんから買えましたが、現在は取り扱っていないようです(在庫はどうなったのかしら…)。

チップワンストップ では扱っているようですね。ぼくは買ったことないのですが、とりあえずリンクだけ貼っておきます。

MC3403N シリーズシリーズ テキサス インスツルメンツ テキサスインスツルメンツ TI てーあい National Semiconductor ナショナルセミコンダクタ ナショセミ なしょせみ バーブラウン Burr-Brown | アンプ | オペアンプ | Texas Instruments – チップワンストップ 電子部品半導体通販サイト

ICソケットはなくても良いけど…

ICソケットはなくても、直刺しは出来ます。ここでは、ハンダ付けの熱で壊すリスクを避けるためにソケットを使っています。

その他のパーツ

ボリュームとノブはGarret Audio さんから買っています。ノブのバリエーションはGarret Audioさんが多いからです。ノブとボリュームシャフトはインチとミリがあるので注意が必要です。ぼくはインチを好んでいます。インチのノブの方がバリエーションが豊富だから。

そのほかは秋月電子通商 さんやマルツ・オンラインを利用しています。

部品集めの後は


部品集めをした後は、下の写真のようにA4の紙にマスキングテープで貼り付けると良いです。部品が足りない場合もすぐ分かりますし、製作途中で部品定数を確かめる場合も間違いが減ります。


ケースの加工

ケースはオリジナルに近い黄色が良かったのですが、間違ってオレンジを買ってしまった。オレンジはDS-1だった…。

Amazonだと値段が若干安めですが、色のバリエーションが少ないです。 Garret Audio さんの方がカラー・バリエーションが豊富です。

ケースの加工は図面を描くと楽です。実寸であれば、CADを使うなどの本格的でなくても良いです。

ぼくはInkscapeというソフトを使って描いてます。ぼくが作った図面はこれです→case-layout-2-pots-LED-mod.pdf


図面を印刷した紙を切ってケースに貼り付けます。その上からセンターポンチで目印を打ちます。

今回のケースは表面が光沢ではないですが、光沢の場合はポンチが滑る時があります。マスキングテープを貼っておくと、ポンチの位置決めで滑ることを防止できます。滑る時もありますが…。


ポンチで目印を付けたら、ドリルとリーマーで穴を開けます。


配線

配線は…ごめんなさいって感じ。ワイヤーが太すぎて、基板が小さ過ぎなのです。


完成した姿