ハイラム・ブロックは不思議な魅力なギタリストです。 速く弾いたりはしないのですが、ワンアンドオンリーなフレーズ・トーンですぐ分かる。 フレーズは独特です。ときにはアウトっぽいフレーズもバランスよく交えつつ、よく歌うギターという感じです。
このアルバムは曲良し、ギター良し、ボーカル良しで聴いていて楽しい。 個人的には1曲目の”Down the Pipe”が好きですが、そのほかもバリエーション豊かで捨て曲なしだと思います。 “Give It What U Got”, “Pretzel Logic”のハモリ・ギターはビリー・ジョエルの”The Stranger”を思い出してしまいました。あの曲もハイラムでしたね。 “Pretzel Logic”はSteely Danの名曲のカバーです。これはとても良い!ハモリのギターが曲調にあってます。
メンツは、人脈のあるハイラムらしく豪華ですね。 ボーカルにアル・ジャロウが参加していたり、リッキー・ピーターソンがキーボードで参加していたり、あとランディ・ブレッカーとルー・ソロフも参加してたり。 ベースはウィル・リー。サックスはマイケル・ブレッカー、サンボーン、クリス・ハンターが参加しています。
歪みはおそらくペダルで作っていると思われます(サンボーンの来日のときはそう見えた)。 わりと素直なオーバードライヴのときは上品なサウンドです。 たまに少しエグめ、どちらかというと下品なトーンのときがあって、これがまた絶妙です。 アンプの歪みだけが良い歪みではないという良い例です。
ハイラムのクリーン・トーンもすごく良いので聴いてほしい。 カッティングはキレがあって、でもリズムは少し後ろにある感じが好きです。