ビル・コナーズって誰? っていう人は多いですよね?
ビル・コナーズは第2期リターン・トゥ・フォーエバーに参加していたギタリストです。 ちなみに第2期は二人のギタリストが在籍していて、一人はビル・コナーズ、もう一人はアル・ディ・メオラです。
知名度としては後にソロデビューしたアル・ディ・メオラの方が有名ですが、リターン・トゥ・フォーエバー時代はビルコナーズを推したい。
ぶっちゃけビル・コナーズはあまり評価されていませんね。そういうぼくも若い頃はまったく良いと思っていませんでしたが…。
二人のギタリストを聴き比べるのにちょうど良いアルバムがAnthologyです。
これはビル・コナーズが参加している第2期の最初のアルバムHymn of the 7th Galaxyが全部入っていてお得感があります。
このアルバムでのビル・コナーズにはかなり存在感があります。 やはり白眉は3曲めのCaptain Señor Mouseですね。
トレブリーなサウンドのレスポール・カスタムで弾きまくっています。たぶんファズを使っています。
フレーズそのものはロックっぽくはないのに、チョーキングが特徴的でかなりロック色が強く聴こえます。 割と空間が多くて、速いフレーズも規則性があまりなく、ファズの粗いサウンドと少し粗い感じのプレイが相まってとてもスリリングです。 パワフルなスタンリー・クラークやレニー・ホワイトと引けを取っていません。
大学のジャズ研でこの曲をコピーしてました。実を言うと若い頃はビル・コナーズの良さが分かっておらず、あまり真面目にコピーしませんでした。 コピーしようと思っても、こういう雰囲気はなかなかコピーできませんけど。特にこのファズ・サウンドでこういうフレーズを弾くのはかなり難しい感じはします。
ビル・コナーズの映像もあります! メロディがあって、緩急があるというか、ダイナミックレンジが広いと言うか、とても魅力的です。こういうスタイルをもっと貫いて欲しかったな。
ピッキングする右手も軽やかで、今見ても参考になりそうです。若干粗っぽい部分はあるものの、テクニック的にもかなりのレベルだったように思われます。
残念ながらビル・コナーズはこの一枚で脱退してしまい、後釜にアル・ディ・メオラが加入しています。
Anthologyではアル・ディ・メオラ参加の曲も収録されていて聴き比べると興味深いです。ぼくの印象だと、ビル・コナーズと比べておとなしい感じです。なぜかな。
すこし面白いのがアル・ディ・メオラは自分のソロアルバムでCaptain Señor Mouseを演っています。 聴き比べるの一興です。
ビル・コナーズの演奏よりも整っている感じはしますが、最初聴いたときは迫力ないなーと思ったものです。
スタイルが異なるのでギター・プレイを比較するのはあまり意味がないように思いますが、アプローチの仕方の違いは注目です。 ぼくはビル・コナーズのアプローチの方が好みです。
もっとビル・コナーズが評価されるとうれしいです。