「ジャズギター」って何から聴くのがいいの?
って思う人にはこれをおすすめします。
1曲めの「ユード・ビー・ソー・ナイス」(You’d Be So Nice To Come Home To)はぼくのジャズギター初体験の曲。
高校生のころにラジオから流れてきました。のっけからジムホールが弾くテーマの歌い方がたまりません。 ソロではソフトな音色、やたらと知的に聞こえるフレーズ、空間を活かしたことで生まれる緊張感。 ある意味ジャズギターのお手本にしてもよいのでは。
おまけにサイドメンがチェット・ベーカー(トランペット)、ポール・デズモンド(アルト・サックス)、ロン・カーター(ベース)、ローランド・ハナ(ピアノ)、スティーヴ・ガッド(ドラム)とそうそうたる顔ぶれ。各サイドメンのソロの長過ぎず美味しいままリレーされているのも豪華。ジャズの入門としてもおすすめできます。
なんといっても面白いのが「ユード・ビー・ソー・ナイス」はベースのロン・カーターのソロで拍の表裏がずれていること! (コーラスの半分くらいでずれてる…) 「どうやってテーマに戻るんだろう」というハラハラ・ドキドキ、そしてテーマに着地した時の壮快感までというジャズの醍醐味もちゃんと味わえるという。
これを手始めにチェット・ベーカーやポール・デズモンドのほかのアルバムも試すのもアリです。 「ユード・ビー・ソー・ナイス」はアート・ペッパーやヘレン・メリルも有名ですから、そちらも聞いてみるなど広げ方はいろいろ考えられます。
知ったようなことを言うと、スティーヴ・ガッドのドラムはあまりジャズっぽくはないです。でも逆に、このせいでクロスオーバー的な雰囲気が出て親しみやすくなっていると思いますね。なんとなくピアノにも薄くフェイザーがかかっているようにも聴こえますし。