きょうだいコンプレックス / 岡田 尊司

きっかけ

身内の恥をさらすわけではないですが、ぼくには弟が二人いて断絶状態です。

最近下の弟とトラブルがあり、ほとほとイヤになって、その原因のヒントになるかと考えて読んでみました。

きょうだいの関係は親の問題が投影される

この本によれば、多くの場合は子どものキャラクターの問題よりも親に問題があって、子ども逹の関係に歪みが生じるようですね。 親の問題というのは、多くが自己愛が強すぎると書いています。大人になりきれていないとか、子どものことよりも自分の感情や思いを優先してしまう親の場合は、子ども逹の関係に悪影響を与えるようです。

まあ、多くの場合は親の問題ということは、子どものキャラクターの問題だってあるわけですね。

事例がつらつらと挙げてあって読み物としては面白いですが、あまり整理されている感じはしませんでしたね。例えばヒラリー・クリントンの場合、弟二人がヒラリーの優秀さや彼女のキャラクターなどでだいぶ苦しんだ例が書かれています。ただヒラリーの問題というよりはヒラリーが目標として父親や父親像の儀牲者と考えるのが妥当なようです。なかなか難しい。

自分のケースを分析してみる

事例を見ながら、まがりなりにも自分のケースを分析したりもできます。たいてい自分の家と似たケースがあるんじゃないかな。

ぼくの場合は弟たちのコンプレックスにだいぶ悩まされてきました。一緒に住んでいた時よりは大学時代やそれぞれ独立してからの方が僻みは増した。正直、こちらとしては成績や就職先、職業、学校などで見下したり 侮辱したりしたつもりはなかったのに、彼らの対応はどこか悪意があって疎遠になっていきました。

思えば母親は次男を溺愛していましたし、無理に次男を持ち上げたり、甘かったりしていました。典型的な依怙贔屓です。三男に対してもだいぶ甘かったようですが、三男は自身のキャラクターに問題があるので親の問題とは別に原因があると思ってます。

ぼく自身は家庭内で何度も仲間外れにされてきたので、回避型の性格が形成されたんだな、と再確認しました。次男もコンプレックスで辛かったのかな、と想像しますが、同情の棯は湧きません。三男はどうでもいいです。

一方の父親はさほど不公平に子ども逹を扱った感じはしませんでしたが、自己愛は強かった方ではないかと思います。

おわりに

この本によれば、仲違いしてもいつかは和解できる時がくる的なことが書かれていますが、どうでしょ。 キャラクターに問題があって不条理な怒りや憎しみを抱く相手は関わらない方が幸せではないでしょうかね。

自分の兄弟・姉妹の仲が芳しくないと思っている人は読んでみると何かのヒントは得られるでしょう。

子どものきょうだい仲が悪いことは親が責任を感じるべきと書いてあります。これはぼく自身の肝に銘じておきます。