エディ・ヴァン・ヘイレンを偲ぶ

エディ・ヴァン・ヘイレンが亡くなったとのことです。ショックを受けています。

豊富なアイディア、創造性あふれる革新のプレイで、紛れもなく天才的なギタリスト・アーティストでした。 比べるのは意味がないですが、ある意味ジミヘンドリックスよりも影響は大きかったのではないですかね。 ロック・ギターを弾いている人なら誰でも、少なからずエディに影響を受けたのではないでしょうか。

エディの残してくれたものについて振り返りながら、偲びたいと思います。

奏法

タッピング

一番分かりやすいのがタッピング。80年代は「ライト・ハンド奏法」なんて言われていました。

エディのタッピングは音楽的な必然があるように聴こえます。

厳密な意味でオリジナルはエディではないかも知れませんが、表現手法として確立したのは間違いなくエディです。

80年代は、かなり安直にタッピングしているギタリストがいたものですが、そういう人達とは次元の違いを感じたものです。

“Hot For Teacher”のイントロは、タッピングだけですね。すげー。

アーミング

Van Halenのデビュー・アルバムでのアーミングは衝撃だったのではないでしょうか。

あれほどの音程差のあるアーミングを普通に使うのはエディが最初でしょう。 アーミングによる表現の幅を広げたという意味でも、その独創性のすさまじさを感じます。

ボリューム奏法

これも衝撃ですね。ボリューム奏法とは別の奏法に聴こえます。

ライブ動画を貼っておきます(画質が悪いな…)。どうやって、これを考えつくのでしょう…。

スイッチング

これは、効果的にトリッキーに聴こえるテクニックですね。

今となっては、あたりまえに聴こえるテクニックですが、最初に思い付くのは大変だと思います。 それを曲で使うのも、常人では考えつかないでしょう。

上の”You Really Got Me”の動画でも聴くことができます。

トレモロ・ピッキング

いわゆる「ハミングバード・ピッキング」ですね。 これも真似すればエディっぽく聴こえてしまいます。

上の”You Really Got Me”の動画の頭に入っている”Eruption”で聴くことができます。

有名なのは、やはり”Beat It”のソロでしょうね。終わりのところで盛り上がります。

フレージング・スケール

エディのフレーズでよくあるのが、同じフィンガリング・パターンでそのまま複数弦を移動するフレーズです。

途中でスケール・アウトするわけですが、それがドミナント・モーションをしているように聴こえて、かなりオシャレに響くことがあります。 高速なプレイのせいかも知れませんが、そのスケール・アウト感がスリリングさを増して聴こえます。

食い気味なリズムと不規則な譜割もあいまって、ドライブ感もありました。

“Jump”のソロのエンディングの高速に上がるフレーズはまさにそれです。

サウンド

ブラウン・サウンドと称されるサウンドは極上の歪みサウンドでした。

歪んでいるのにクリア、とでも言うような、絶妙なバランスは憧れです。

やはりスーパーなギタリストは音も良い!

ギター

楽器にも様々なアディアが盛り込まれていて、その後のギターへの影響もはかり知れない。

フロイド・ローズをいち早く使いはじめ、ハードロック系では標準的なギアになりました。

独特なペインティングも印象的です。

ワン・ピックアップ、ワン・ボリュームな仕様は、80年代は割とスタンダードなスペックになりましたね。 PUのボディ直付けも特徴的です。

おわりに

こうして振り返ると、独創的なアイディア溢れる工夫がプレイ・ギター・サウンドのいたるところに盛り込まれています。

こうしたチャレンジングで、かつバランスのとれたワン・アンド・オンリーなスタイルは永遠の目標になりそうです。

伝説になってしまったエディへの感謝をこめて。