この時期はラリー・カールトンがヴァレー・アーツのギターを弾いていて、割と珍しい。 ソリッドボディ/シングルコイルのピックアップとあいまって、サウンドもだいぶ違うように聴こえますが、相変わらず良い音です。 ところどころ軽くフィードバックしているようですが、サスティンが効いてそれもまた良いんですよね。
このアルバムはマイルスのナンバーが2曲もあって、そういう曲を弾きたい時期だったのかも。 ただ、ラリー・カールトンはバップ・フレーズにはならず、どこまでもカールトン節。
“So What”は名演。モードは聴くのも弾くのも苦手なぼくがいうのもナニですが、すごくうまく料理していると思います。 勉強になるけど、真似できなそう…。
続く”Don’t Give It Up”はデビューアルバムの演奏よりも、こちらの方が好きです。 フレーズが伸びやかだし、全体のノリがしなやかで、ブルージーさが濃い目で円熟味が増してます。
“The B. P. Blues”, “All Blues”とブルースナンバーが続いて(“All Blues”は3拍子だったか)、かなり弾きまくりな”Last Nite”。 最後の”Emotions Wound Us So”は美しく歌い上げて締め。 アルバム全体では満足度は高いです。名盤・名演だと思います。
そういえば、ヴァレー・アーツを弾いている姿としてはこういう動画もありました。
ラリー・コリエルの雑な演奏は放っておいて、ここではそれぞれの持ち味が分かって興味深い。 ラリー・カールトンのギターはチョーキング連発でブルースギターっぽい。