ドラムレス・ピアノレスでギター・ベース・トランペット(ボーカル)のかなり渋めのフォーマット。 晩年のチェット・ベーカーとフィリップ・カテリーン(Philip Catherine)が組んだライブ録音です。
フィリップ・カテリーンはベルギー人のジャズ・ギタリストで、たぶん「ヤング・ジャンゴ」で知られたのかな。 端正なフレーズ・リズムでヨーロッパな香りがすると思います。勝手なイメージですが。
どこか知的な響きのフレーズ、リズムもイーブンな感じで黒っぽさというのを感じさせませんが、アメリカの白人ギタリストとは違う際立つ個性で好きです。むしろ、こういうタイプのほうがとっつきやすいかも。 自分だけかな。
ドラムレスのトリオですが、トランペットの存在であまり退屈にならないです。ベース(Jean-Louis Rassinfosse)もよく歌うベースで存在感があります。ちゃんとジャズとして成立しています。演奏する側からすれば、このフォーマットは高度で難しいと思います。たぶん。
ギターのサウンドはコンプ強めです。音の立ち上がりの感じではソリッド系のギター(レスポール・カスタム)かも知れません。どことなくフュージョン的に聞こえるのはそのせいかも。ボリューム奏法も多用してます。気のせいかフレーズにかすかにヤン・アッカーマンにも通じるものを感じます。
チェット・ベーカー好きには判断が分かれるでしょうが、フィリップ・カテリーンを聴くには良いアルバムです。余計な音が少ないのでよく聞こえますし、トランペットやボーカルがなければベースとのデュオ状態ですからギター・スタイルを知るにはちょうどよい。
ここでのチェット・ベーカーもそんなに悪いと思いません。ボーカルは年齢を感じてしまう部分はありますが。 チェット・ベーカー目当てで聞いて憤慨している人がいたら「あーかわいそうに、フィリップ・カテリーンが分からないんだな」と生温かく見てあげるのが良いでしょう。
『In Concert』はグリーン・ドルフィン・ストリートとBlues in the Closetが絶品です。どうぞお試し下さい。
ところで、彼の楽器ですが、1977年のIn cocertでは確かにレスポールでしたね。これが音色も絶品です。ストローリンの頃はどうなのでしょうか。近年はネットで動画を見ますと、箱もののギターを使っているようです。
ありがとうございます。”In Concert”は近々入手しようと思います。楽しみです!。
Strollin’の頃の動画がありました。1986年なのでStrollin’の録音の1年後くらいの時期のようです(ベーシストが違いますが…)。
これだと箱ものですね。
また、同時期のチェット・ベイカーとのデュオの”There’ll Never Be Another You”のジャケットも箱ものなので、時期的には箱もののギターの可能性は高そうです。
昔から、フィリップ・カテリーンが大好きで、特にケニー・ドリューとのライブ盤『In Concert』を愛聴していました。ストローリンを入手して、昨日から聴いているのですが、これも素晴らしいですね。フィリップ・カテリーンのソロ、かなり個性的だと思います。
コメントありがとうございます。フィリップ・カテリーンのネタに反応していただいて嬉しいです。
実は人気の高い”In Concert”はまだ聴いてないので、今度買ってみようと思います。