映画 おいハンサム!!

6月末に映画 おいハンサム!!を見てきた。 公開されてすぐの時期だった。

ドラマも2期目が2024年4月~6月に放送されていて、相変わらずの内容だった。まさか2期目があるとは思っていなかったし、映画化されるとは。

この映画はドラマを見ている人向けではあると思うけど、これだけ見ても楽しめるだろう。 個人的には、最後のお説教のくだりなどドラマの1期目に回帰している部分を強く感じた。

伊藤家は娘達の躾・自立がすばらしく、正直こんな家庭は絶滅危惧種、もしくは過去にも実在しなかったのだと思うが、ある種の理想形を再確認できる。 このような秩序と自立のバランスは家族の一つの完成形だと思う。 自分自身と自らの家族を振り返ると、憧れとともにかなり複雑な気持ちにはなる。

ともあれ、ドラマ・映画ともに吉田鋼太郎はじめ娘役3人など芸達者ばかり出演するかなり(特に女優陣が)豪華な顔ぶれ。 藤田朋子はNHKの朝ドラを知っていると隔世の感を禁じ得ない。こうなると誰が予想できたか。 佐久間由衣も振り切れていて、ふせえりと丁々発止でやりあえる才能は今後が楽しみである。 毎回食べっぷりが豪快で、「ごはん」のテーマをもっとも体現しているのは佐久間由衣なのかも知れない。 武田玲奈はバイオレンスなアクションが意表を突いていて、よくぞキャスティングしてくれた。

展開もドラマの延長線上でテンポも悪くない。 少し間違えると下品になりそうなシーンでも、役者の力量なのか脚本の良さなのか、どことなく綺麗にまとまる。 全体的に伊藤源太郎【吉田鋼太郎】以外の男は弱っちくて、女性陣のほうが活き活きしているのは時代を反映しているのかも知れない。

これだけのメンツが無駄なく生かされている作品はそうそうないと思う。 これを「つまらない」「内容がない」とか言う人は、この映画のターゲットから外れているだけなのだよ。 (Ambient音楽を聞いて「メロディーがない」「歌詞がない」とか言うのと似ている。)

感動を押し付けられないし、ニヤニヤしながら見て、いい気分転換できて映画館を後にできる。 大人には時にくだらねー内容で笑いたい時間が必要なのだ。 のだが、動員数はあまり稼げないのだろうな。光宗薫がちょい役ながら出ているのがちょっと嬉しい。