デヴィッド・ボウイ / Let’s Dance

あまりデヴィッド・ボウイは詳しくないので、以下はかなり上すべりな書き方になると思う。

実際、これが自分のStevie Ray Vaughan との出会い。 当時はラジオから流れてきた Let’s Dance での「いなたい」ギターが印象的で、それから間も無くテキサス・ハリケーン(Couldn’t Stand the Weather)を買ったと思う。 確かFM fanの記事ですごいブルース・ギタリストがデビューみたいなものがあって、その影響だった。

(ちなみにFM fanというのはFMエアチェック情報を載せた音楽雑誌。エアチェックというのはFM放送をカセットなどに録音して、(場合によっては編集して)個人的に楽しむもの。当時は似たような雑誌が何誌かあった。たぶん一番メジャーだったのはFMステーション。ほかにFMレコパルというのもあった。)

このアルバム全編でStevie Ray Vaughan はフューチャーされているけど、恐らく弾いていないと思われる曲もある。 Stevie Ray Vaughan を目当てで買うと、ソロもそれほど多くないので少しがっかりするかも知れない。 主役はあくまでもデヴィッド・ボウイだから仕方ない。 ただし、ギター・サウンドはとても良い(いつも通りとも言える)。

実はStevie Ray Vaughan が弾いているのかよく分からない(コードは弾いている?)”Modern Love”一番好き。でも歌詞はなかなか良く分からない。 “Modern Love”が指す意味は良く分からないけど、対義語は”Traditional Love”なんだろうな、と。皮肉とか批判を込めて”Modern Love”と歌っているように思う。こんな歌詞を歌ってしまうのがロックだし、それをダンサブルに仕上げているのも皮肉っぽくて、そこが格好良いと思っていた。

当時の売れっ子プロデューサー、シックのナイル・ロジャースによるプロデュースで全体はポップ。 でも実は、ほとんどがデヴィッド・ボウイの作詞作曲。 なので、デヴィッド・ボウイはデヴィッド・ボウイのままでアレンジでポップに聞こえているだけ、ということもありそう。

実際、”China Girl”はセルフ・カバーだから、このアルバムより以前に書かれている。 この”China Girl”のStevie Ray Vaughan のギターはソロもバッキングも曲の雰囲気を印象付けている。

ドラムはオマー・ハキムとトニー・トンプソンがクレジットされている。 しかし、どの曲でどちらが叩いたのかの情報が分からない。 なんとなくゲート処理が派手なほうがトニー・トンプソンのように思えるけど、どうなんだろう。 (トニー・トンプソンはバンドPower Stationでもドラムを叩いている。Power Stationのドラムはゲート処理がド派手。)

デヴィッド・ボウイ本人は切実に売れたかったようなので、念願がかなった形になったけど、その後はどうだったのか。