「コミュニケーションに不満」についての考察

客商売をやっていると、客からのフィードバックで「コミュニケーションが足りない」とか「コミュニケーションに不満」というものがあります。

あえて言いますと、こういうことを言ってくる客は「コミュニケーション」を分かっていません。

「俺の意図を汲んでくれ」

そもそも、自分が言いたことを表現できている人は「コミュニケーション」について不満を感じることはありません。 なので、こういう文句を言う人は「俺の言うことを汲み取れ」と同義です。 あまり真面目に取り合う必要は本来はありません(と思っています)。

お仕事なので、ぼくからは「あーすみませんでした」くらいは言いますが、本心は「あなたの日本語は分かりづらくて大変だった」です。

訓練しなければ、考えは整理できないし、表現できない

普段からコミュニケーションが上手くできないと感じているなら、まだ救いようはあります。自覚して努力するでしょうから。

自分の社内(組織内)だけで仕事をしてきて、外部の人と会話して意思の疎通に問題を感じたのであれば、それはたいてい自分のコミュニケーションに問題があります。

やっかいなのは、普通の人は自分の日本語に問題を感じていないことです。

言葉そのものは完全なツールではないので、上手く使えたとしても100%自分の考えを伝えられません。 ましてや、語彙が貧弱だったり適切な言葉の選び方ができない場合は、伝わる確度はどんどん下がります。

実際、貧弱な語彙、不適切な言葉を選んでしまう人のほうが多いのです。 それ以前に自分の考えを整理できていない人が大多数です。

意識的に考えを整理する訓練をしたり、小論文などで自分の考えを表現することを訓練しなければ言いたいことは端的に伝わらないのです。

だからコミュニケーションは甘くないのです。

ミーティングの回数

あと、「ミーティングの回数を増やせ」という客も多いですね。

これは「俺は仕事ができない」と表明しているようなものです。 限られた時間内に意思疎通をはかるのは仕事では必要な能力です。長ったらしいメールで要領を得ないコミュニケーションが嫌われるのはそういう理由です。

言い方が悪いですが、考えが整理ができていないうえに、不自由な日本語の会話を重ねて意思の疎通ができる保証はありません。

なので、こちらで客の意図を推測して確認する資料を作成したうえでミーティングをするようにしています。

回数を増やしても、不明瞭な会話が増えるだけなので、意思の疎通が改善することにはなりません。

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