Herb Ellis / Nothing But The Blues

今までハーブ・エリスは聞いたことがなかったので、気まぐれで買ってみました。

スタン・ゲッツが参加しているということと、ブルースばかりということで、このNothing But The Bluesを選びました。 ブルースといっても、BBキング的なものではなく、ジャズのブルースです。

ハーブ・エリスはいわゆるチョーキング(ベンド)を多用することで知られているようです。

実際、このアルバムでもチョーキングは多いです。 ただし、現代的なチョーキングではなく1/4音~半音程度の軽めに音程を上げてすぐ下げるアクセント的なものです。

今では当たり前ですが、1音以上チョーキングして伸ばすスタイルはBBキングが広めたと言われていて、それが1950年代後期だとされています。 このアルバムは1957年録音ということで、まだまだBBスタイルが広まっていない時期と言えます。

アルバムを通して聞くと、この時代の白人系のジャズ・ギタリスト的な感じはします(人種で区別したいのではなく、ぼく個人的にそう感じているだけです)。 ブルースとはいえ泥くさい感じもなくさらりとしているので、仕事のときに流しておくには良いかもしれません。 ちょっと疲れていてパット・マルティーノのような演奏は聞きたくない時には、こういうアルバムも良いです。

全体的にギターは軽やかですが、正直言って特徴がチョーキング以外あまり感じられないです。

ぼくの個人的な意見ですが、往々にして古い時代のジャズ・ギターは弦に負けている感じがする演奏があります。 弦が太いのでしかたない部分はあります。 ハーブ・エリスの場合は弦に負けている感じが少なめなので、聞いていてまどろこしさを感じることが少ないです。

サイドメンながらスタン・ゲッツがかなり良いのでスタン・ゲッツ目当てで聞くのも良いでしょう。

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