LGBT法案と言われているもので騒がしいが、何が問題なのか分かりづらい。
ざっくりと整理した説明としては、長尾たかし氏による動画が良いと思う。
この動画での内容をもとに、文章でざっくり整理しておく。
目次
今問題になっている法案とは
今問題・話題になっているのは、もともと超党派議員が提出した「LGBT差別解消法」がベースになっているもの。 これは、禁止する差別のなかに「性自認を理由とする」ことが含まれている。
これがポイント。
「LGBT差別解消法」と「LGBT理解増進法」の違い
関連する法案はLGBT差別解消法のほかにLGBT理解増進法がある。 つまり似ている法案が二つがある。
これら法案の対象がそれぞれ異なる:
法案 | 対象 |
---|---|
LGBT差別解消法 | 性自認を理由する差別 |
LGBT理解増進法 | 性同一性障害を理由とする差別 |
「性自認」を含める問題
性自認とは何か
性自認とは何か。それは自分の性をどう認識しているかを意味する。
たとえば、「自分の身体は男性だが、自分の性別は女性だと思う」ならば「性自認が女性」となる。 つまり「本人はこう思っている」のが「性自認」の基礎となっている。 言い換えれば「自称の女性」は「性自認が女性」になる。
問題なのは、客観的な根拠がなくても「自分は女性だ」と主張すれば「性自認が女性」となる点に尽きる。 あくまで「自認」であって「他認」ではない。
「性自認を理由とする差別を禁止する法律」の問題
「性自認を理由とする差別を禁止する」と法律で決めた場合、「自称の女性」「自称の男性」と「身体的に女性」「身体的に男性」と区別することが「差別」とされることが予想される。
それは法律を根拠に「性自認(自称の女性)を理由とする差別だ」と司法が判断する可能性が高まるからだ。
例として挙げると、男性が「自分は気持としては女性だ」と主張すれば女湯に入っても排除できなくなると予想される。 もっと生々しく書くなら、「自分は女性だ」と言って男性器を剥き出しにして女湯に入ってくることが排除できない世界が到来する。
女湯以外に、同様に女性専用車両、女性トイレなど公共の場での女性だけとされている場所に「性自認が女性」と主張するだけで出入りが可能になる。 (数は減っているにしても)女子校にも自称女子が入学が可能になるだろう。
こうした「女性のみ可」とされてきたスペースでの安心感がない世界が到来する。 つまり女性の権利が阻害されるのが、この「性自認を理由とする差別を禁止するLGBT差別解消法案」の本質だ。
「LGBTの差別解消・禁止が進んでいる国々」での例
「LGBTに理解が進んでいる国々」ではなく、「差別解消」や「差別禁止」が進んでいる国々で何が起きているか。
- 女性のみの刑務所に「自称女性」が入所して性的暴行をはたらく
- 女子スポーツが「自称女子」が参入して、元男子が上位を占める
- 安易に自認だけを根拠に性転換手術をして、元にもどれず悔やむ
刑務所の件は、性的な変質者が自称女性として振る舞う免罪符になっている。 刑務所だけでなく、女性のみ可としているスペースでの性犯罪の敷居は下がるだろう。
スポーツに関して言うなら、女子スポーツは競技としての意義を失うだろう。 アスリートの気持ちの匙加減で、安易に女性になれる世界はすでに到来している。 そもそも競技上の男女区別は身体的な違いを考慮しているのが出発点だ。 純粋に競技の面だけでなく、格闘技系では身体的な怪我など身体的に女性の側へのデメリットは増大する。
「自分は女性だ」という思い込みだけで性転換手術まで完了してしまう例がある。 思春期など精神的に未熟さがある状況で性急に判断して、時間が経過したら「やっぱり男だったみたい」となる例はある。 物理的に性転換してしまっているので、皮肉にも自分から性同一性障害になってしまう例だ。
「性自認を理由とした差別禁止」の法律はディストピアへの入口
性自認を理由とする差別を法律で禁止するならば、変質者にとってはユートピアだろう。 こんな法律が成立したら女性と自称するだけで女性として社会的に扱わざるを得なくなる。 そして、その状況の悪用を防止するものが現状ではない。
こうして女性が安心して利用できるスペースがなくなるディストピアが到来する。 「自称のマイノリティ」のために、一般的な多数の女性の権利が阻害されるのがLGBT法案の本質だ。
もっと言うなら女性だけでなく、性自認の概念を安易に振り回すことは若年層への悪影響もある。 その点については別の機会にでも。
(上記のディストピアは下の福田ますみ著 ポリコレの正体からの受け売り。)
北村弁護士の解説も参考になる(2023年6月18日追記):