実はこのアルバムはちょっと敬遠して買ってなかったのです。 あまり期待せずに買ってみたら、思いの外良かったです。 (今どきなら「スムース・ジャズ」と形容されるのかも知れませんが、当時はそんな言葉はなかったです。)
このアルバムの製作中にカールトンは銃で打たれて6ヶ月弾けない状態だったというのは記憶していました。 そんな様子はまったく感じさせない出来で、エモーショナルでよく歌うギターがかえって泣ける。
とくにアルバムタイトル曲はフレーズも泣けるし、サウンドも素晴らしい。 ピッキング、フィンガリング、ボリュームのコントロールが完璧。こういうところを是非聞いて欲しいです。
このころはValley Artsのギターを使っていた時期で、Last Niteでのサウンドと系統は同じです。
どうやらシングルコイルピックアップをよく使っていた時期のようで、サウンドもシングルっぽいのが多い。 歪みは軽めのようですが軽くフィードバックは効いて音が伸びるという絶妙かつ極上なサウンドで、これも憧れてしまいます。
クリーントーンではコーラスを効かせていて、80年代という時代を感じてしまう部分はあります。 それでもどれも曲は良いし、プレイは良いし、古さは感じません。名盤だと思います。
すごく細かいことを言うと、デレク・アンド・ドミノスの「いとしのレイラ」をカバーしていますが、「カールトンにはこう聞こえているのか?」という部分もあって興味深い。完コピでないとダメというわけではないので、ちょっと面白いなと思っただけですよ。