平行線 (酸欠少女さユり)

もうすぐファーストアルバムが発売されるさユりの平行線です。これはアニメ「クズの本懐」のエンディングテーマ曲でした。

「私たちは付き合っている。でも、お互いがお互いのかけがえのある恋人。」

というショッキングなフレーズ、主人公逹の打算、計算、恐怖と絶望の心象と、このエンディングテーマとのシンクロが絶妙です。原作を読んで曲を作ったというので、当たり前と言えばそうですが、アニソンなのにアニメの世界観に負けず劣らずアーティストの影(世界観)が色濃いところがただものではないですね。

藤原さくらの声がスモーキーというなら、さユりの声はglassyでしょうか(←Seymour Duncan のピックアップSSL-1の影響です(笑))。聞きようによってはヒステリックにも聞こえますが、この年齢の時期でしか使えない声とも言えるのでは。「生き難さ」や「もがき」の世界の表現にはすごく合っていると思います。「酸欠」が誇張ではないようなブレスすら歌の中に取り込んでいる歌い方もユニークですよね(本人はそんなこと意図していないかも知れませんが…)。

さユりの場合、歌詞の言葉が丁寧に選んであると感じます。苦労して歌詞を作るようですから、かなり言葉に対してシビアに絞り出しているのではないでしょうかね。耳障りの良い言葉や安直、ありきたりのフレーズは使わないところにとても好感を持っています。

「太陽系を抜け出して平行線で交わろう」「勇気がないのは時代のせいにしてしまえばいい」

なんて、ちょっと凄い歌詞ではないですか。草野マサムネとは違う詩人への期待が膨らみます。

平行線平行線
さユり

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2 件のコメント

  • 私はこの歌詞を聞いた時、射影幾何だ、と思いました。

    「平行な二直線は無限遠点で交わる」

    • ある程度数学を知っている人は反応してしてしまう歌詞なのでしょうね。ww