「そう言えば、こんな特許を書いたような…」と仕事絡みで自分の特許を調べてみた。(特許・実用新案検索|J-PlatPat [JPP])
単願・共願ふくめて41件あったのだが(もちろん全て成立したわけではない)、現在も有効だったのは4件だけだった。 これは全て共願したものだ。
おそらくまだ在籍している共同出願者が維持しているのだと推測する。 毎年、特許の棚卸しがあるはずで、維持にチェックを入れているということだろうな。 意地もあるだろうか。
前々職から離れて10年経過するが、ほとんどが「年金不納による特許権の消滅」「出願のみなし取下げ」で無効になっている。 こんなものかも知れない。 離職した者の特許は重要でなければ維持されることはないだろう。特に研究所の特許はノルマの一面もある。
前職でも出願しているが、これは前職の知財部の傾向から維持することはなさそうなので、それほどの感想もない。 それでも、少しだけ切ない気になった。
なお、特許検索を自分の名前でサーチするときは、姓名の間にスペースのありなしが区別されることに注意。 これに気付かないと、少ない件数しかヒットしない。(近傍検索を使えば良い。)
せっかくなので思い出話を書くと、前々職では特許の明細書を研究者が自分で書くことになっていた。
この理由はよく知らないが、おかげで明細書を読むのはそれほど苦痛ではない。 もちろん弁理士が清書してくれるので、言い回しはそれなりに整えてくれるが、自分でも徐々に特許明細書っぽい言い回しも覚えてくる。 今思えば、最初は大変だったが良い経験をさせてもらえた。
特許は普通は拒絶理由通知をもらうことになる(ほとんどは「新規性」「進歩性」を有しないの理由が多い(参考: 特許の拒絶理由通知及び拒絶査定について – 東京都の弁理士法人大島特許事務所))。 産業に関係していながら、一発で通る特許は実際はほとんどない。 弁理士によっては、一発で通る特許は屈辱的と感じるとのこと。 というのも、一発で通る特許は、突飛すぎて実用性に乏しかったりトンデモ特許だったりするかららしい。
慣れないうちは、拒絶理由通知をもらうと「もうダメなのか…」と思ってしまうかも知れないが、そこからが特許出願の仕事の大事なところであることが多い。 請求項を補正して、拒絶理由を解消できれば成立させることも出来る。簡単にあきらめるには早い。
前々職では、この拒絶理由通知への反論や請求項の補正も研究者が書いた。 もちろん知財部や部の特許担当とも議論したり忠告を受けたりした。