これが出た時から知ってはいたが、実はあまり聞かなかったWayne Krantz。
マイク・スターン的なフュージョンを期待すると、ちょっと違う。 自分はこの演奏の良さが分かるまでは時間がかかってしまった。
テーマ的な提示の後は、延々と怒涛のインプロビゼーションが続く。
ピッキングのスタイルはどこかマイク・スターンを思わせるが、より軽めて滑らかに聞こえる。 かなりのバカ・テクなフレーズのオンパレードなので、ギター好きにはうってつけなアルバム。
ただし曲などは少しとっつきにくさはあると思う。 ギター・ベース・ドラムの3ピースによるインプロビゼーション系の演奏で、全体的にはバリエーションに欠けて少々単調に思えるところがあるから、万人向けとは言えないかも知れない。
ストラト系のリア・シングルの音が素晴しく、音色のコントロールが絶妙。 リアでギャンギャン暴れる感じがせず、それでいてストラトらしさが出ている。 これはトーン・ポットを絞って使っているのかも知れない。 リアでトーンを駆使するのはエリック・ジョンションやスコット・ヘンダーソンもそうだが、ウェイン・クランツのほうがよりストラト的でナチュラルに聞こえる。
追記
1曲目の”Whippersnapper”のTranscriptionがある。弦飛び、ポジションの大きな移動など、すさまじさが視覚的に確認できる。
おなじく”Whippersnapper”のWhole Toneスケールフレーズの解説。
スケールとして知っていても、こういう風に使うというのはなかなか分からない。