江川卓(元野球選手とは別人です。こちらは『えがわ・たく』)著の「謎解き『罪と罰』」 を久しぶりに読みました。前回読んだのは30歳ちょい過ぎだったかな。一回処分して、また買い直しました。昔よりもスラスラ入ってくるのは当たり前なのか、歳食ったせいなのか。「罪と罰」を読んだのは、大学生の頃だったような気がします。
ドストエフスキーが込めた登場人物の名前への意味、「何故、題名が『罪と罰』なのか」、主人公の「復活」に込められた意味などを、聖書・ロシアのフォークロア(地域伝承)・他の文芸作品まで参照しながら「謎解き」していくのがスリリング。「罪と罰」そのものがサスペンス的だけど、この謎解きも引き込まれて一気に読んでしまいました。
「罪と罰」は昔読んだ、と言う人でも「えー、そんな意味があったの?!」になること請け合いです。伏線だらけのドストエフスキーの計算高さというか、ある種の偏執狂的な一面を伺い知れて他の本も読みたくなる。「なんで、ロシア文学はあんなに長いの?」という人は少なくないと思いますが、ドストエフスキーの場合は理由がある、ということが分かるだけでも面白いですよ。
またドストエフスキーを買おうかな。いや、その前にイニシエーションラブにしようかな(笑)。