今思えば、あのひとはサイコパスだったんだなと思う元上司はいます。 そいつは、結婚して子どもがいますが、ぱっと見は普通なんですよね。
仕事では上には受けがよく、下には支配的で、一緒に働いた社員がどんどん会社を辞めていく典型的なタイプでした。 そいつが単身赴任して、奥さんの実家(奥さんの母親)に自分だけ世話になるのが、さも当然のように出来て「こいつは、なんか普通と感覚が違うなぁ」と思ったものです。 要するに「利用できるものは何だろうと利用することに躊躇を感じない」というサイコパス特有の性質が現れただけだったのです。
この本では、いくつかのケースをマンガでわかりやすく紹介するという体裁で、各話ごとに総括と解説が入ります。 まあ、ありそうなケースが載っているので、思い当たる人は少なくないように思います。 こういう解説はもっと浸透すると良いと思います。
この本での定義が妥当なのかは議論がありそうですが、大事なのはこの手の「大迷惑」な生き物が人間の中にいるということを知っておくことです。 そういう厄介な存在を知っていれば、無駄に傷ついたりしなくてすみます。
善意で対応するとつけ込む輩とわかっていれば、それなりの対応ができますから。 正直、ぼくには同じ人間とは思いたくはないですね。
この本では後半サイコパスに同情的な部分がありますが、被害者からすればそんなのはどうでも良い。 どう避けるとか組織全体でどう対処するかの部分をもう少し掘り下げて欲しいと思いました。