ひさしぶりに煮干しで出汁をとる

ぼちぼちとレクチン・フリーな生活を心掛けてはいるが、難しい部分はある。それでも、以前よりは原材料名を確認するようになった。

スーパーで買い物の際にふと、だしのもとの原材料名を眺めて驚愕した。

例えば味の素のほんだしの場合、原材料名は食塩・砂糖類・風味原料・酵母エキス・酵母エキス発酵調味料/調味料という順番になっている。

この原材料名は原材料名 | 用語集 | 株式会社折兼によれば

加工食品の原材料に占める重量の割合の高いものから順に、最も一般的な名称をもって表示すること。

とあるから、順番から読みとれるのは、食塩と砂糖類がかつお風味成分よりも多いということだ。

ほんだしの製造風景の動画があるが、これだけでは分からない成分がかなり含まれていると思われる。 そもそもうま味成分はそれほど多くないのは想像はできるが、砂糖類が多いのは意外だった。

砂糖類は可能な限り避けているつもりだったが、だしのもとにはかなり含まれていることに軽くショックを受けてしまった。 久し振りに煮干しで出汁をとることを思いたった。

参考にしたのは煮干しだし(いりこだし)の取り方/作り方:白ごはん.com。だいたい、どこのサイトも同様のやりかたではあるし、母親がやっていたのも概ね同じだった。 レシピでは水に対して2%の重さの煮干しで良いとある。 好みで煮干しの量は調整すると良い。(今思えば、母親の煮干しの量はかなり多めだったと思われる。)

頭と「はらわた」は、自分は取らない。雑味と感じるか、それも含めて煮干しの出汁の味と感じるかは、各人の味覚次第だと思う。

さて、実際に煮干しのみでとった出汁で作った味噌汁は、ほのかな甘さがある。これが上記のほんだしの砂糖類の存在意義なのかと推測した。 『ほんだし』はかつお風味であるから煮干しとは違うかも知れないが、うま味以外に甘みも必要なのだと思う。

煮干しから出汁をとるのは若干の手間ではあるが、これくらいは慣れれば大したことはないとも思える。

今どきは「時短」と称して、不健康かも知れない安直な食材を使うほうを好む風潮ではある。 しかし便利さとは引き換えに、健康を失うかも知れない。

ここ数十年のあいだに(値段を含めた)便利さを獲得する際に、それ以前とは違う何かがあるはずなのだ。 機械的な進歩であれば分かりやすいし、それほど心配はない。 一方で、それが化学的な何かであれば、それはどこまで安全なのかよく吟味する必要はあると思う。 そもそも公害や薬害は、そういった化学的な影響を把握できずに世に放ってしまい、後から害が分かってきたという歴史の繰り返しでもある。

上記の砂糖類になにが含まれているかまでは分からない。 ただ今どきの加工食品には果糖ぶどう糖液糖が多く使われている。 日本では特にこの手のものに対する規制がユルユルであるから、少し慎重になるほうが良いと思う。 (トランス脂肪酸の例を見れば、食と健康に対する日本と日本人の意識の遅れは相当にヤバい。)

日本でも、消費者側がもっと賢くなってリスクのある原材料を含む食品を避けるようになれば、メーカーや国も動くのではないだろうか。 (ちなみに、味の素などのうま味調味料でギャーギャー言う前にマーガリンやコーヒーフレッシュを止めるほうがよほど科学的な態度だ。)