Harvard Business Review 2017年 04月の記事に、ある製品のリコールはそのリコールを出した会社だけでなく、業界全体に影響を与えるというお話が載っていました。
まあ、そうだよねと思いますが、ワシントン大学・南カルフォルニア大学が調査した結果はもう少し踏むこんで調べたようです:
- リコールされた製品と同じ国のブランドには悪影響
- 外国には好影響
- 有力なブランド・モデルのリコールは、そうでないものよりも影響が大きい
リコールがあると、その製品全体のイメージが低下するというのは頷けます。 作っている側からすれば、リコール案件を出したい人はいないのですけどね…。
外国の企業のリコールは、自国ブランドには有利というのが興味深いです。自国ブランドの信頼度が高いの前提でしょうね。
あと、あまり人気のない製品のリコールは影響力が小さいのも納得できますね。
リコール後の賢い対応として研究者が挙げているのは
- リコールを出した会社は謝罪広告は出さない方が良い
- 同じ国のライバル企業は、競争相手のピンチに便乗しないで、身を潜める
- 違う国のライバル企業は、チャンスに乗じて自社の強みや独自性を強調するべき
- ライバル企業のリコールをきっかけにソーシャルメディアでどんな話題があるかを専門家チームに調査させるべき: その結果をもとにマーケティング戦略を調整するべき
謝罪広告を出さない方がよい理由は、その案件が広く認知されてダメージが大きくなるから、とあります。 日本人は謝罪させるのが好きなので、企業側も安易に「誠意」を示すために謝罪してしまいがちですが、必ずしも得策ではないようです。 何のために謝罪するかをよく考えることが必要ということでしょう。
ダイヤモンド社 ダイヤモンド社 2017-03-10