PRISM / The Silence of the Motion

1987年のアルバム。

この頃からトリオ志向が芽生えたようで、トリオ構成での曲が”Suspencible The Fourth”, “In The Afternoon”の2曲。 ベースとギターのデュオが1曲、ベース・ソロが1曲。 ほかはキーボードに深町純と松浦義和が参加しています。

このアルバムは思いで深くて、アルバムリリースと同時期に浜松の(今はなき)西武の上階のイベントスペースでライブがありました。 2番めに並んで和田アキラの真ん前で見られました(大学受験の年だったのに!)。 そういえば、ちょうどジャコが亡くなって間もなくの時で、渡辺健がジャコに捧げるベースソロを演ってました。 キーボードは深町純だけでしたが、ブレス・コントローラを使ってキーボード・ソロを弾いてましたね。

アルバムの話に戻ると、エンジニアがたしか”Buck-Tick”とかを手がけていた人で、PRISMの他のアルバムとサウンドがかなり違います。 ぼくには低音が少なめに聴こえます。曲によっては、特にベースの低音がスカスカな感じが…。 あとギターには残響系が強めでモヤモヤ気味に思えます。

ギターはこの頃はP-ProjectのPAW3かPAW4あたり。上述のライブではPAW4を弾いていました(はず…)。 アンプはハイワットだったような。ラックでいろんなLEDがピカピカしていましたね。 クリーン系は割と太めなハーフトーンサウンド(“And In the Evening”とか)。 歪みも”Nothin’ Unusual”の時期よりは低音が多めで迫力があります。

この時期の代表曲”Suspencible The Fourth”はギターシンセも使っているみたいで、トリオだけとは思えない厚いサウンドになってます。 ところところでアラン・ホールズワースの影響を覗えるところがあります。 ホールズワース風やパクリではなくて、自分なりに消化しているのがさすがです。 “◯◯風”というのはあまりプロのミュージシャンにはやって欲しくないな。

この後はトリオ構成の活動になり例の3部作になるのですが、このアルバムはすこし3部作の影に隠れている印象があります。 ポップな”Come On”や珍しいブルーステイストの”The Crew’s Blues”などバリエーションがあって、あまり求道的な感じがしないので、ぼくは通して気楽に聴くことができます。