あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか 伊藤真・野田稔著

「あなたは、今の仕事をするためだけに生まれてきたのですか」を読んでみました。セカンドキャリア入門という感じですね。今の会社で再雇用なり、定年でリタイヤするか、セカンドキャリアで働き続けるかとういことを最近考え始めています。転職の時もそうですが、割と時間をかけて準備するのが私は好きなので、今回も勉強を始めたというわけです。

最初の部分(第1章)は、セカンドキャリアのネガティブイメージの払拭、今の常識にとらわれない働き方(今後は変わっていくと説く)の提案、準備の大切さの説明などからなります。目新しいと思うところは少ないですが、ポジティブなイメージを持てます。セカンドキャリアを標傍する人は前提として捉えておくのが結構重要な部分だと思います。

「社長(CEO)になれなければ、会社人生では皆敗者も同然」というのは真だと思います。全員が勝者になれず敗者の方が大多数であれば、多数である敗者なりの人生設計がちゃんとあってしかるべきですよね。「部長やりました(やっています)」と言っていられるのもせいぜい10年間くらいのことで、定年後の再雇用ではあまり役に立たない(前の役職にほとんど関係なくガクンと収入が下がる)という事実は、冷静に受け取る必要があると思います。

第2章ではセカンドキャリアのケーススタディとして9つの例が紹介されていています。正直、うまくいった例ばかり読んでいても「自分には無理そう…」と思うこともあります。そうは言っても参考になるところは多く、実例から年齢や前職の業種はあまり関係ないんだな、ということがよく分かると思います。

第3章は具体的にセカンドキャリアを見つけるにはどうするか、という部分です。大事なのは狭く考えないことと、「志」あるいは「ゴールイメージ」の部分を持たないといけないところと思いました。ゴールイメージは、勤め人に欠けている部分だそうで、自分にも思い当たる節はあります。

第4章は心構え的な部分ですね。キャリアの広げ方についての考え方など、「自分の人生は自分でどうにかする」ということですね。酒の席で管を巻くのが一番良くないわけですよ(笑)。セカンドキャリアだけでなくて、自分なりのゴールを持つことで今の会社での働き方にも良い影響が出るのではないかと思います。卑近な例だと、セカンドキャリアを描いておくことで今の会社の不満等もだいぶ緩和される感じはします。

著者らが主宰する知命塾というところの例が多いので、意地悪く読むなら半分は宣伝に読めなくもないです。しかし、それだけではない様々な示唆に富んだ内容があると思います。とは言うものの、自分自身だけでセカンドキャリアを探すのは、かなりハードルが高い感じは否めません。セカンドキャリアを真面目に考えてくれる人なり業者を介在するのが成功のカギだと思います。会社の補助が出るなら、知命塾などのコンサルなどに相談する方が良さそうです。