アクティブ・パラボックスの製作

(2018-09-23 大幅に追記した。)

(2023-12-10 微修正。)

パラボックスを作りました。スプリッターとも言う。

実際にはアクティブ回路のパラボックス。ハンドメイド・プロジェクトの回路のまま。

チョーキングの音程が悪いので、チューナーを入れっぱなしにしたい

正直言うと、チョーキングの音程が悪いのが悩み。なので、チューナーを入れっぱなしにしたいのだ。 つまり演奏中でも、音程をモニターして指で微調整するというわけだ。

ただチューナーを通した音をアンプに通すのには心理的に抵抗がある。というのは、むかしBOSSのTU-12ではノイズが乗ることがあったから。

そこで、パラボックスだ。バッファー回路を並列に並べてパラに出力する回路だ。

回路的には下のようなもの。

パラボックスって何?

パラボックスは楽器の出力を並列に分けるもの。単に並列配線するパッシブ・タイプとバッファー回路を使うアクティブ・タイプがある。 ここではアクティブ・タイプを作った。

アクティブ・タイプが良いの?

並列配線するだけのパッシブ・タイプでは、並列にする機器によって出力レベルが変動する。つまり干渉してしまう。 並列につなぐインピーダンスが違えば、配分される電流が違う、ということ(かなり乱暴に説明している)。

アクティブ・タイプはバッファー回路を使い、並列の出力を独立にしてくれる。 つまり、出力に接続する機器(エフェクター・アンプ)同士の干渉を防止できる。

バッファー回路は、専門的な説明をするなら、中身はトランジスタのインピーダンス変換(ソースフォロワー)を並列に並べた回路。

実際の回路は下のような回路を並列にしたものだ。(回路定数は入れていない。)

音は変わるのか

音は…変わらないはずだが、クリアになった気も…しないか。

人によってはアクティブピックアップ(低出力のパッシブピックアップにインピーダンス変換回路が付いたピックアップ)みたいと言うけど、アクティブピックアップは使ったことないから、良く分からない。


アクティブ・パラボックスの製作

ハンドメイド・プロジェクト(販売してくれます)のpdfを参考に作った。

部品代は2000円かからないと思う。

基板のエッチング

まずは基板のエッチング。自分はレジストペンを信用していないので、油性ペン(マッキー)を使う。

もとの配線パターンは黒い部分が少ないが、できるだけ塗りつぶすとエッチングする部分が減って楽になる。この辺りは経験を積むと分かってくる。

塗りつぶしを多くすると、線が切れることも防ぐことができる。だから、なるべくエッチングする部分を減らす。

季節によっては、湯煎しなくてもエッチングできる。湯煎するとエッチングが進み過ぎる場合があるので、注意が必要だ。

エッチング液は定番のサンハヤトのものを使う。


エッチングが終わったら、油性ペンを剥がす。自分の場合はスチール・ウールでゴシゴシ洗う。


ケースの加工

ケースは定番のHAMMOND の1590B。


ジャックの穴など、大きい穴を開ける時はリーマーを使う。リーマーは下穴をドリルで開けてから、リーマーを突っ込んでメリメリと穴を広げる。

配線

部品数が少ないので、配線はとても楽。

配線の線材が少し太かった…。


ケースにアースを接続する

今回はジャックが絶縁タイプなので、そのままではケースにアースが落ちない。写真には写っていないが、圧着端子でケースの蓋と共締めしている。


完成して使っている写真