2011年にこんな上司が部下を追いつめる―産業医のファイルからを買っていました。 電通の事件があったからという訳でもないですが、最近読み直しています。
「働き方改革」なんて号令はかかっても、実際上司たるものの意識が追いつかない例が多いのではないかと想像します。怖いのは、追い詰める気もないのに結果として追い詰めてしまうことかと思います。上司である人もそうでない人も読んでおくと良いと思います。
私の同僚に、休暇を取っているはずなのにリモートで会議に参加してくる「壊れた」人がいます。こういう仕事感覚の人は意外と少なくないように思えます。 こういう人がたくさんアウトプットを出しているか、というと答えは否です。周囲に何人かいますが、遅くまで会社にいても、土日もメールをチェックしても、結局出てくる結果はさほど多くないのです。こういう効率の悪い働き方が当たり前だと、自分の感覚のズレに気づけ無いようです。
休暇をとってもオフすることが出来ない、というのは危ない感覚でしょう。この種の人たちは「リフレッシュする」ことが理解できていないのだと思います。リフレッシュできないので仕事の効率も悪く、創造的な仕事も出来ず、アウトプットも低い、そして時間がかかり、休むことが出来ない。そんな悪循環があると思います。こういう人逹は自分がいないと申し訳ないと思うようです。しかし、そもそも誰か一人がずっといないとダメなんて組織は組織とは言えない。誰かが誰かをカバーするのが組織です。ましてや大きな組織では、人が少し辞めても活動が止まることはありませんしね。
土日や休暇、出来れば毎日退社後の夜は、一旦放り出してやめてみるというクセをつけると良いと思います。
この本の最後に「趣味ノススメ」という章があり、印象的だったのでメモしておきます。実際、この部分を読んで、一旦全部処分したのにギターを買い直して弾くようになりました。
オンとオフのメリハリをつけるための道具としての趣味を勧めています。
オンとオフを切り替えるツールとして大事な点として
- 自分ひとりで出来ること
- 没頭できて一心不乱になれるもの
を挙げています。逆に勧められないものとして
- 仲間がいないと出来ないもの(例: ゴルフ、麻雀)
- 思考力、解析を必要とするもの(例: 読書、ゲーム、将棋、囲碁など)
勧められるものの特徴として、肉体を使って右脳をうまく働かせるもの。例えば書道、絵手紙、楽器など。 こういったものは、本作業に入る前に儀式があり、日常世界から異次元の世界へのワープができる点が大事とされています。例で挙げたものは、道具を調える、調律、手袋、ヘルメットなどの装着などの儀式があります。
逆に勧められないものの例としては、音楽を聴きながら可能なものはNG。オートバイは良いが、クルマの運転はNG。音楽鑑賞も勧められないとあります。
ギターやチェロなどがお薦めとして挙げられています。著者はクラシックなものを想定しているようです。ジャズやアコースティックギターのソロギターは確かに没頭する感じはします。ただしハードルは高めだと思います。最近はbacking trackがあったりしますから、そういったものを利用してエレキギターでも一人で完結できる環境はあると思います。