MacOSでフォントレンダリングが無効にされていた件

興味深い投稿がPlanet Emacsen にありました。 MacOSでサポートされていたフォントレンダリング・エンジンが無効にされた件を嘆いたエントリーです。 Bye Bye Emojis:Emacs Hates MacOS 以下は意訳です。

2年前、Emacs24.4ではMacOS(当時はすでにOS Xだった)ではCore Textベースのフォントレンダリングエンジンのサポートが劇的に改善した。 さらに良いことに、そしてこの変更と一緒に-正しいフォントセット設定で-カラーの絵文字も使えるようになった。これは最も重要な機能っていうわけではないが、あったら良いものだし、何の害もないものだ。

Emacs 25.1では、これらは無くなってしまった。最初は僕の設定で間違いがあるって考えたけど、NEWSの記載 で分かった(強調は僕による):

OS X Cocoa (“Nextstep”)ポートにおけるmulticolor fontサポート(カラーの絵文字など)は無効にした。[…] この機能はfree operating systemsのEmacsでも実装されたら、また有効にされるだろう。[…]」

こいつを噛み締めよう: Emacsのデベロッパー逹は、freeなsystemでは実装されていないがためだけに、MacOS ユーザーにとっては完璧に動作する機能を意図的に無効にしたんだ。なんて愚かな決定だ。

FSFの小さい象牙の塔の幸福に対しては、この決定は確かに意味があるよ。でも、ユーザーとして、そしてよりよいユーザーインターフェースを提供しようとしているポピュラーなEmacsパッケージのメンテナーとしては、中指を立てられた気分だ。 どんなにコントリビュートしようとも、Emacsの国ではMacOSユーザーは常に二流の市民であり続けるっていう明確なメッセージだよ。 僕たちは歓迎されていないし、これからもずっとそうだ。

コメントに困りますね。Free Softwareは作者の信条が強く反映される一例と言えましょう。商売ベースであればユーザーの利便性が優先されて、このような問題は生じないものです。特にGNUはFSFの哲学が色濃く反映されますから、好き嫌いが分かれる傾向はあると思います。MacOSが出現する前はその傾向は強かったと思います。

MacOS上のEmacsユーザーがEmacs本体の進化に与えた寄与・影響は決して小さくないと思いますが、Emacs開発者として譲れない領域はあるという主張と思えます。