AI はギターを教えられるか

Grok が教えるギターの上達法

西尾氏がXのAI Grokに 「ギターが最速で上手くなる方法は?」を聞いたことをネタにしていた:

Grokの答えはこんな感じ:

ギターが最速で上手くなる方法は以下の通りです:

  1. 毎日の練習:

    少なくとも1日1時間、できれば2時間以上練習する。定期的な練習がスキル向上に不可欠です。

  2. 基本テクニックのマスター:

    コード、ストローク、ピッキング、運指、フレットボードの理解など、基本的な技術をしっかりと身につける。特に、正しい姿勢と手の位置を学ぶ。

  3. スケールとアクセントの練習:

    メジャー、マイナースケール、ペンタトニックスケールなどを練習し、フレーズやリフを即興で弾けるようにする。

  4. メトロノームを使う:

    リズム感を鍛えるためにメトロノームを使い、テンポに合わせて正確に演奏する。

  5. 好きな曲をコピーする:

    好きなアーティストの曲を耳コピしたり、タブ譜を見ながら弾く。これにより実践的なスキルと楽しみが得られる。

  6. テクニック練習:

    アルペジオ、タッピング、スイープピッキング、レガートなど、様々なテクニックを学ぶ。初心者から中級者へのステップアップには特に効果的。

  7. チュートリアルやレッスンビデオを見る:

    YouTubeやオンラインのギターレッスンサイトを活用。プロのプレイヤーや教師から直接学べる。

  8. 耳を鍛える:

    音楽を聴いて音程を識別する能力を養い、即興演奏に役立てる。

  9. フィードバックを得る:

    他のギタリストや先生からフィードバックをもらう。オンラインコミュニティやフォーラムも有用。

  10. 目標設定と自己評価:

    短期・長期の目標を設定し、定期的に自分の演奏を録音して進歩を確認する。

これらの方法を組み合わせることで、最速でギターのスキルを向上させることが可能です。しかし、個々の進歩速度は人それぞれなので、自分に合ったペースを見つけることも重要です。

いやー、練習がメッチャ楽しそー。モチベーション・アップ間違いなしでしょうねー(棒)

こういうスカした物言いは、さすがAIだね。西尾氏が言う「真ん中がない感じ」は言い得て妙。

ここからマジレス

そもそも「上達」をどう考えるか。そして何を目指すのか。

上のAIの答えは、そつがなくスマートだ。 だが、それっぽい上っ面の技術のことだけを言っているのだけで、肝心なところがない。 これが「真ん中がない」の意味するところだと思う。

音程と譜割をなぞることが「弾けた」にはならない。 「歌」がどれだけ込められるか。オリジナリティをどう表現するか。 どれだけ「音楽的」にギターで表現できるか。 これらを追求しないと楽器の上達はないと思う。それが熱意や楽しさにつながる。

生成AIが出来ること・出来ないこと

このごろはプロンプトで描かせるだけで、実際には描けない者が絵師を名乗り、AIに書かせた文章でブロガーを名乗る。 そのうち、AIに作曲させて作曲家を名乗るかも知れない。

でもAIが生成したイラストは名画を見た時のような感動を与えてくれるだろうか。

AIの文章が、名作小説のようなインパクトを与えてくれるだろうか。

原理的にAIは学習したデータをもとに「なんとなく平均的」なものを出力するものだ。つまり突出したものは生成し得ない。 (そういう意味では、プログラミング言語のソースコードはもしかしたら生成AIにある程度やらせるのはアリなのかも知れない。 通常はプログラムは動くことが重要で、何かが突出した書き方や動作は不要だ。) そんな技術が生成した結果を「すごい」と思うほうが、どうかしている。

言い換えれば今のAIは、それっぽい偽物を作るのが得意なだけ。 だから、「金を掛けたくない」「どうでもよい」ようなイラストや文章を捏ち上げる(でっちあげる)には丁度良いのだ。

特に芸術や文芸などは、どこか歪(いびつ)だから魅力的になる。平均値を狙うAIには、おのずと限界があるというものだ。

上のGrokの「御託」のようなAIの残念なものを見ると、「データベースは結論を出せない」を自認する「氷菓」の福部里志を思い起こしてしまう。 少々間違っていても、やはり折木奉太郎のほうが魅力的だ。