自分でフレット交換をする際の手順をおさらいしておきます。
まずはマニュアル・手順書を作ってみる、というわけです。(そう言えば大学で研究室に配属されて、実験室の装置を使うまえにマニュアル作成をやらされたのを思い出しました。 何かの作業を初めてやる場合は、あれは良いやり方のひとつですね。)
自分でやってみて、補足などがあれば追加していきます。
まんまZinギター工房の神谷さんの解説をもとに勉強しています。
ちょうど参考になる作業が5つのページにわたって解説されています:
- Zin Guitar Workshop>スラッシュシグネイチャーモデル フレット交換作業1
- Zin Guitar Workshop>スラッシュシグネイチャーモデル フレット交換作業2
- Zin Guitar Workshop>スラッシュシグネイチャーモデル フレット交換作業3
- Zin Guitar Workshop>スラッシュシグネイチャーモデル フレット交換作業4
- Zin Guitar Workshop>スラッシュシグネイチャーモデル フレット交換作業5
これを参考にツールやポイントを整理していこうと思います。神谷さんに感謝です。
基本的な作業は以下の6工程になります:
- ナット取り外し
- フレット抜き
- 指板修正
- フレット打ち
- フレット端部の切断・整形
- フレット擦り合わせ
では、それぞれのポイントを整理していきます!
目次
ナット取り外し
道具類
- よく切れるカッター
- 喰い切り
ポイント
- 衝撃を加える手法はとらない(木材が欠ける恐れあり)
手順
- カッターで切り込みを入れる
- 喰い切りで掴み、少しずつ動かして外す
フレット抜き
道具類
- レモンオイル
- はんだごて
- 喰い切り
手順
- レモンオイルで指板を湿らせる
- ハンダごてで熱しながらフレット・プラーで引き抜く
指板修正
マスキング
道具類
- マスキングテープ
手順
- マスキングテープでヘッドやボディなどを養生する
直線だし
道具類
- ストレート定規
- フレットレベラー
- アールゲージ
- サンディングブロック
- フレット・フィンガーボード・レベラー
- 紙ヤスリ: #100, #150, #240, #360, #600
- トラスロッドのレンチ
ポイント
- ナット・ジョイントとジョイント上部(ハイポジ)は分けて作業
手順
- ネックを固定する
- フィンガーボードレベラーを使って大きな凸凹を平にする (#100)
- 直線を確認・ロッドで調整
- 2,3を繰り返して直線を出す
- ナット~ジョイント部分を先に直線出しをして、その後ハイポジを直線出し
アールを形成
ポイント
- ここでアールの調整が悪いとフレットを打ってから問題が発生する (すきまなど)
手順
- 指板アールがついたサンディングブロックでアールを形成する
- #100, #150に番手をあげて、それごとにアールを確認する
- 直線を確認する
フレット溝チェック
道具類
- スロットゲージ
- スロットクリーナー
手順
- 溝の深さが十分あるか確認
- 溝を掃除
仕上げ
ポイント
- 指板を削るのではなく、アールを形成する際についた傷をとる作業
手順
- 指板アールがついたサンディングブロックで傷を除去する
- #240, #360番手をあげていく
- 最後は#600をパッドに巻いて仕上げる
フレット打ち
フレット準備
道具類
- フレット・ベンダー
- タングカッター
- 金ヤスリ
ポイント
- フレットのアールは指板アールよりも若干きつめ
- アールの確認は重要 → しつこく実行
- バインディングの汚れは後で除去する
フレット打ち
道具類
- 当て木
- ハンマー
- フレットプレス
- 喰い切り
ポイント
- 打ち込んだ後で隙間がないかチェック
- セットネックの場合はハンマー・フレットプレスを使い分け
フレット端部の切断・整形
エッジの傾斜を形成
ポイント
- フレットエッジの傾斜を大きくしない。
- バインディングの汚れは後で除去する
道具類
- 棒ヤスリ
- 当て木(ヤスリ用)
- 紙ヤスリ #600, #1000
手順
- 棒ヤスリでフレットのエッジを削る (専用の工具もあり)
- 棒ヤスリで削り終えたら当て木に紙ヤスリを巻いて#600, #1000で仕上げる
エッジの丸め
道具類
- マスキングテープ
- Fret End Dressing File
- 当て木(ヤスリ用) 薄いゴムなど
- 紙ヤスリ #600, #1000
手順
- ネックをマスキングテープで養生する(フレット以外を覆う)
- エッジをFret End Dressing Fileなどで丸める
- 紙ヤスリ#1000で丸めた部分を滑らかに仕上げる
フレット擦り合わせ
ポイント
- 指板修正が重要。
- 指板修正で仕上げてあれば、少しの擦り合わせで十分
- 最小限の力で軽く擦る
- ハイポジションは若干の傾斜がある。
擦り合わせ
道具類
- サンディング・ブロック(パドゥーク材など)
- 紙ヤスリ #1000
手順
- トラスロッドでネックの直線を調整
- サンディングブロック(パドューク材)に紙ヤスリ#1000を巻いてフレットに垂直方向に擦る
- ストレート定規で隙間の有無を確認
- フレットに平行に擦る
フレットの角を落とす
道具類
- 紙ヤスリ #1200
- スポンジパッド
手順
- フレットに垂直方向に軽くヤスリを動かすく
- フレットに平行方向に軽くヤスリを動かすく
磨き
道具類
- スチールウール
- コンパウンド (フェルナンデスの946)
- ウェス
手順
- スチールウールで磨く
- コンパウンドで磨く